家族の効用(最終回)
お洒落な生活がしたい、シンプルに暮らしたいと思っているのに、ままならないことはありませんか。 一人暮らしならいいのです。自分の理想を貫くのも自分次第。 でも、家族がいるとそうもいきません。
複数の人間が一つの家に住むということは、多かれ少なかれ、それぞれの趣味に翻弄されるということ。 たとえ全員がスタイリッシュな暮らしに憧れていたとしても、 それぞれが持つ「スタイリッシュ」のイメージが異なれば、どうしようありません。
家族それぞれが違った色の好み、違ったテイストの好みを持っていれば、 結局、家の中にはありとあらゆる色、テイストが散らばることになります。 シンプルに暮らしたいとたとえ皆が思っていても、シンプル+シンプルはすでにシンプルに非ず。 家族のジレンマです。
ただ、自分で見ると各自バラバラなように見えても、外から見ればその家なりの方向性があるもの。 たとえばわが家は家族全員本が好き。だから家じゅう本だらけ。 本のジャンルは様々でも、よそから見れば、これも一つの統一感と映るようです。
また最近、家族の効用を発見しました。それは、片付け物の相互扶助です。 自分の部屋を自分で片付けるより、人の部屋を片付けるほうが、客観的になれるのでラク。 部屋を取り替えっこして片付け合い、自分で最後の仕上げをすると、効率的です。
初稿:2008年3月15日