「今年の一年生は短いよ〜!」と、ネネが言いました。
新入生と在校生の対面式がきのうあったのだそうです。
「短い」というのは、モチロン、スカートの長さのこと。
「なんてったって、ヒザが出てるもん!」ですって。
うさぎは興味を惹かれて尋ねました。
「そういうの見てどう思う? やっぱり"ズルい"って思う?」
「‥うーん、ズルいとまでは思わないけど、いいなぁ〜とは思う。
でもあれは黙ってない子が絶対いると思うよ。○○ちゃんとか、△△ちゃんあたりとか。
去年、先輩に呼び出し食らわないギリギリの線まで、"みんなで渡れば怖くない"的に、
"せ〜の"でスカートを短くしてた子たち。あの辺はたぶん黙ってないな」
‥歴史は繰り返す。去年上級生から受けたストレスを今年下級生に投げつけて発散する。
それが繰り返されて、ストレスと共にローカルルールは受け継がれていくのでしょう。
‥あーあ、イヤだな、そういうの。
このストレスの鎖をどこかで断ち切ることはできないのかしらね。
「じゃあさ、バッグはどうだった? バッグ! やっぱりみんなリュック?」
と尋ねると、「さあ〜、バッグまで見なかったな」とネネ。
「そう、じゃ、明日は必ず見てきて、全体の傾向をママに報告して頂戴」とうさぎ。
「あい分かった」とネネ。
ハハハ‥、母娘して一体なにやってんだか。
こんなことリサーチしてどうしようっていうのかしらね、我ながら‥。
でもねえ、もしローカルルールの崩壊がこの目で見られたら愉快じゃない?
宿敵の凋落ぶりをリアルタイムで見たいと思うのは、人間なら当然よね〜。
もしかしたら、ルール崩壊には、ネネが一年からスポーツバッグで通したことも
多少は関係しているかもしれないんだし。
というわけで、今日リサーチしてきたネネ。
気になる結果は‥というと。
「う〜〜ん、ビミョ〜〜って感じかな?」ですと。
「去年よりは増えてるかなあ、っていう程度。やっぱり主流はリュック派だなー」
‥あらそう、ま、そんなとこかしらねー。
いまわたしが望むのは、せめて親たちだけは、 子どもと同じ論理に走らないで欲しいということだけです。 昨年、納得できないことを無理やり納得した親たち。
ウチだってリュックとバッグを両方買わされたんだから、
バッグ一つで済ませようなんて、ズルイ
ウチだってそうしたんだから、みんなそうすべきよ。
なんて思う人がいないと嬉しいのだけれど。
でもこれって案外難しい望みだってことに、実は気づいちゃっていたりもするのよね‥。
ところで、2年生になった子たちも、、まだローカルルールから完全に解放されたわけではないようです。
「たぶん大丈夫だとは思うけど、完全に大丈夫とは信じ切れないといった雰囲気」とはネネの弁。
昨年さんざ上級生の目を気にした子たちは、晴れて2年生になってもまだ"先輩"が怖い。
始業式にスカート丈をかなり短くしてきて、
「あれは2年というより、3年生のスカートだな」とネネに言わしめた子でさえ、
ルーズソックスを履くのは一人では怖くて、
「明日は一緒にルーズを履こう」と友達と示し合わせていたとか。
‥やれやれ。教師の目をかいくぐって‥という時代の方がまだ美しかったかなぁ。