2003年4月12日 悩みごと(前編)

先日、友達から悩みごと相談の電話がかかってきました。

うさぎって、けっこう悩み事の相談に乗るのが得意。 だから、友達から電話やメールで相談ごとを持ちかけられることも多いんです。

人の悩みごとの相談に乗るときって、まず相手の立場に立つのが基本だと思うの。
常識とか一般論をアドバイスしても、悩みは解決されない。 自分の体験からしてそれが判っているから、 うさぎはまずじっくりと相手の話を聞き、相手の辛さを理解することから始めるんです。

でも、それってけっこう大変。ヘタをすると、自分までがその悩みの虜になってしまう。
「たいしたことじゃないわよ! 気にしない、気にしない!」 ってからりと笑い飛ばしてしまう方がラクなんだけど、そうしてしまうと、 相手は気持ちの持っていき場所がなくなっちゃうと思うの。 自分がそうだから、そうしないようにしているんです。

女ってけっこうプライドが高くて、特に女友達にはなるべく弱みを見せたくないっていう 部分がある。 だから、友達に相談をもちかけるのはたいてい最後の手段なんだと思うの。 よくよくのことがない限り、友達に悲壮な顔を見せたりはしない。 "気にしない"でいられるくらいなら、人に相談をもちかけたりしない。 その問題が解決できないとにっちもさっちもいかないところまで追い込まれるから、 恥をしのんで友達のわたしに相談をもちかけてくるわけで、 こちらもその切羽詰った気分は理解してあげたいと思うわけです。

ところが、先日電話をしてきたその人はそうじゃなかったみたい。

ひとしきり人間関係にまつわる身の上話を話し終わったあと、 「どう思う?」って聞かれたので、「それは辛いよね。分かるわ」と答え、 延々一時間、相槌をうちつつ、相手の話を聞きました。

ところが一時間経ったあと、突然彼女が「あらっ、いま何時?!」と言い出し、 「大変! わたしこれから出かけるの。ゴメンね〜!」と、それまでの沈んだ口調とは 打って変わった元気な声になったの。

「あ、いえ‥」といいつつ、うさぎはボーゼン。 こっちから相談をもちかけたわけじゃないから、 話を切り上げるのに「ごめんね」なんて謝られても困る。 まあ何はともあれ元気になってよかったのかな、とぼんやり考えつつ返答に窮していると、 その一瞬の沈黙を無言の抗議と受け取ったのか、
「ゴメン、最近忙しくて〜。ゆっくり悩んでるヒマもないのよ。ゴメンね、 そのうちまたゆっくり〜」というフォローまでもらってしまった!

「ううん、忙しいのに、こちらこそゴメンね」と思わず謝るうさぎ。
で、電話を切ったあとに、しばらく落ち込んだのでアリマス。 「相談にのってたつもりで、電話に付き合わせてたのは実はこっちの方だったのかなあ」 って。
相手が自分を必要としているはず、なんていうのは単なる思い過ごしだったのかもしれない。 驕りだったのかもしれない。

‥つくづく自分のバカさ加減に嫌気がさし、 また、いつでも人の相談にのれるくらいヒマな自分に腹が立っちゃった。
こういう時、その友達が悪いって思えればラクなんだけど、 でも、相手に非らしきものは何も見当たらないじゃない? 用があるなら電話を切るのは当たり前だし、ゴメンネって謝ってるんだし。

でも、とにかくこれからは、人の悩みを聞くのはたいがいにしようと思いました。 特に彼女の悩みは。
うさぎに相談してくるなんて、どうせ大した悩みじゃないんだろうしサ。
うさぎだって、人の悩みごとを聞くのが好きなわけじゃない。
忙しさで忘れられる程度の悩みなら、忙しくして忘れてる方がいいよ。
うさぎのヒマに付き合ってくれる必要なんて全然ないよ。

だからもう、悩みごとを打ち明けてくれなくていいからね!