今日は中学の家庭訪問でした。
ネネの担任の先生は、我が家に一時間滞在してお帰りになりました。
でも。
「いったい一時間も何を話してたの?」と、夜ネネに聞かれてうさぎは困りました。
何‥って、一体何を話していたんだろう??
「うーん、まあ高校受験の話とか‥かな?」
「‥で、先生、なんて言ってた?」とネネ。
「なんて言ってたかと訊かれても‥。
なんていうか、言葉を発していたことだけは確かなんだけど、
何も語ってはいなかったというか」
ネネが笑い出しました。
「分かる! それってすごく分かる〜!
去年部活の顧問だったんだけどさ、
あの先生って、言葉は喋ってるんだけど、結局何も言ってないんだよね〜!」
「例えばさ、こういう感じなんだよね。
"先生、あしたの試合は一年生も参加したほうがいいんでしょうか?"
"そうだねえ、参加したほうがいいでしょうかねえ。‥でも嫌だったら別に来なくても‥"
"じゃあ、行かなくてもいいんですね?"
"いや、まあ、来た方がいいでしょうね"
"ではやはり行った方がいいんですね?"
"べつにどうしてもという訳では‥"
‥結局どっちなんだよ?!って思わない?」とネネ。
うさぎは爆笑しながら、頷きました。「うんうん、思う思う!」
けれどきりんは言いました。「それって結局"自分で考えろ"ってことなんじゃないのか?」
「‥だったらそう言えばいいじゃないの!」
ネネとうさぎが同時に叫びました。
確かにねえ、今日の家庭訪問も、なんていうか、そんな感じだったわ。
なんかいろいろ尋ねてはみたのだけれど、何一つ明確な回答は得られなかったような‥。
"ノレンに腕押し"って感じだったような?
温和でいい方なんだけど。今日の家庭訪問の一時間が充分有意義だったかというと‥。
う〜ん、どうかな。
まあ、この方の名誉のために補足しておくと。
「でも今日さあ、男子たちがある1人を標的にからかっていたら、
先生が怒って説教したんでビックリしちゃった」とネネ。
「怒るべきときにはちゃんと怒れるんだなあ、と思ってさ」
ほほう、それはそれは。お見逸れしました。