先日、本屋さんに寄りましたら、楽しい本を見つけました。
トンパ文字伝説―絵のような謎の文字
王 超鷹著 マール社 1680円
トンパ文字というのは、中国雲南省に住むナシ族に伝わる象形文字です。 独特の魅力を持ったその文字は、最近日本でも静かなブームを呼んでいるのだとか。 確かに、この本をパラパラとめくり、そこに描かれた絵のような美しい文字を見ていたら、 この文字の魅力に捕らえられる人が多いのも分かる気がしてきました。
実はわたしがこの「トンパ文字」という言葉を見聞きするのは、おそらくこれが三度目です。 最初はたぶん、モンゴル関係の本にちらっと出てきたのではなかったかと思います。 二度目は香港について調べていたとき、それとも東方見聞録関係だったでしょうか。 ともあれ最初も二度目も、「ふーん」と思って記憶の片隅に留めた程度で、 それ以上詳しく調べようとは思わずに通り過ぎました。
けれども、同じ語句を何度も目にすると、あるとき頭のどこかでピピピピッと新しい回路が開くんですよね。 本屋の棚に並んでいた数ある背表紙の一つに「トンパ文字」という語句を発見したとき、 その本を手にとって開いてみようという気になったのは、偶然ではなかったと思います。
そして、ひとたびこの本を開いてしまったら――。 むくむくとトンパ文字に興味が沸きだし、 家に戻ると早速、Googleの検索窓に 「トンパ文字」と打ち込んだというわけです。
まったくインターネットというのは偉大ですねえ。 素敵なサイトがいくつも見つかり、トンパ文字について、一応の概要は学べました。 それどころか、トンパフォントやグラフィックまでおみやげにもらっちゃった。 最近ではわざわざお店に足を運んでサイフを開かなくとも、 知識、ツールといったものが、家にいながらにして、タダで、手に入れられるんですね。
けれども翌日、やっぱり前述の本が欲しくて、5キロ離れたくだんの本屋まで自転車を走らせました。
断っておきますが、いくら辺鄙なところに住んでいるとはいえ、
最寄の本屋まで5キロも離れているわけではありませんよ。
わたしがわざわざ遠く離れた本屋に足を運んだのは、
最寄の本屋に同じ本があるとは限らなかったからなのと、
遠路はるばる買いに行くことで、「この本が欲しい」という自分の気持ちの強さを確かめたかったからです。
でも、本屋へと赴く5キロの道のりは、楽しくて楽しくて、ワクワクしました。
本屋から帰ってくる5キロの道のりもまた、楽しくて楽しくて、笑い出しそうでした。
この本を手に入れることができて、本当に嬉しかったのです。
そもそもなぜ知識もツールもインターネットで手に入れたのに、本を買いに行ったかというと。 本を手に入れてどうしてそんなに嬉しかったかというと。 ――それはその本がとてもきれいで、 床に寝転がってぼんやりと眺めるのにぴったりな本だったからです。
それに、付録がまたたいそう魅力的でした。 トンパ文字のグラフィックデータが記録されたCD-ROMが付録についていたんです。 これが、どうしても欲しかった! 1680円の本の付録とは思えないほどに充実した内容で、グラフィックの完成度が高かったからです。
ではここで少しばかり、トンパ文字というのがどんなものなのか、ご紹介したいと思います。 実は、先ほどから文章の合間にちりばめてきたイラストこそが、トンパ文字。 購入した本の付録CDに入っていたグラフィックデータに、わたしが色をつけたものです。
「花」 | 「鳥」 | 「魚」 | 「虹」 |
ね? とってもきれいでしょう?
色をつけたのは、わたしの酔狂ではないんですよ。
もともとトンパ文字には色がついているのが普通。
色によって意味が違ってくる文字もあるのだそうです。
たとえば、赤く塗った鳥はメスで、青く塗った鳥はオス、黄色はヒナ鳥、というように。
――尤も、わたしの色つけはただの塗り絵ですから、意味もへったくれもありませんけれど。
ではここでクイズをしましょう。 次の文字はどんな意味でしょうか。 想像して当ててみてください。
「雲」 |
「鐘」 |
「手紙」 |
「夜明け」 |
「夫婦」 |
これらはすべて名詞ですが、動詞もあるんですよ。 たとえば、左の文字は「抱く」という動詞です。 お母さんが子供を抱いている雰囲気が、文字の形によく現れているでしょう?
では下に並べた文字は、それぞれどんな動詞だと思いますか。 当ててください。
「座る」 |
「踊る」 |
「恐れる」 |
「遊ぶ」 |
「転ぶ」 |
ちょっと面白さが分かってきたのではないでしょうか。 ほかにはこんなのも。
「主人(ホスト)」 | 「客」 |
ちょっと変わったところで、こんな文字も。 この文字の使用する人々にとって大事なものが、文字の存在から窺えるような気がしませんか。
「緑の山」 | 「神の踊り」 | 「勇敢な3兄弟」 | 「薬草」 |
最後に、「これは傑作!」と思ったものを一つ。
「怠け者」 |
ハハハハ、誰かさんみたい〜!
最近ブームとはいえ、"静かな"ブームの域を出ないらしく、トンパサイトは数が少なめ。 そのカウンターの数字を見れば、ブームの静かさ加減が分かります。 (アクセスカウンターって、そういう利用法もあったのか〜!)
特に気に入ったサイトには、♪をつけました。
ダウンロードページURL | 文字数 | 形式 | 価格 | サンプル |
---|---|---|---|---|
テンプレートBANK トンパフォント「遊トンパ」 (製作者:四季の詞)
|
205種 | ttf | 0円 | |
テンプレートBANK トンパダウンロード (利用説明:All About Japan)
|
229種 | jpg | 0円 | |
テンプレートBANK お遊びハンコ トンパdeポン! |
2250種 | gif | 0円 | |
トンパ文字フォント(ベクター) (製作者:chiphead)
|
150種 | ttf | 0円 | |
トンパ文字フォントWin用・
Mac用(ベクター) (製作者:heno2 Graphics)
|
52種 | ttf | 998円 | |
トンパ文字伝説―絵のような謎の文字
(書籍購入・ダウンロード不可) (解説:トンパの達人lite)
|
2160種 | gif jpg wmf |
1680円 | |
トンパの達人ダウンロードサイトリンク (解説:トンパの達人ver1.0)
|
2160種 ×2書体 |
ttf gif jpg eps emf |
6552円〜 | |
What's TOMPA 〜生きている象形文字〜
(DVD購入・ダウンロード不可) (解説:What's TOMPA)
|
1382種 | 不明 | 8986円 | no image |
本屋の店頭ではなかなかみつからないところを見ると、まだまだマイナーなトンパ関連書籍ですが、 アマゾンでほとんどの本にブックレビューが書かれているところを見ると(!!)、けっこうメジャー?? 「静かなブーム」というのは「ハマる人はハマる」ということでしょうか。 刊行年が比較的新しいところが特徴的。
ここでは、わたしが実際に手にとってみたものを中心にご紹介します。 特に気に入ったものには♪マーク、 とぉぉっても気に入ったものには♪♪マークをつけました。