今年は天変地異の影響か、野菜が高い。 そのせいなのかどうか、昨年100円だった1ネットのみかんが、今年は200円から始まりました。 それでも果物好きな我が家、無理をして買っていたのですが、 一週間ほど前、ついにこれが1ネット300円に‥! さすがに300円では手が出ず、数日間、指をくわえて果物屋さんの前を通り過ぎるより他はありませんでした。
でもねえ、やっぱりみかんが食べた〜い!
なんとか買って食べる口実はないかと考えて思いついたのが、この実験であります。
食べ物という実利のほかに「実験材料」という名目がつくと、なんとなく1ネット300円でも、
言い訳がつくような気がしちゃって。
実は前々から疑問に思っていたのですよね。 いつも行く果物屋さんでは、SサイズとMサイズとLサイズのみかんがどれもたいてい1ネットにつき 同じ値段で売られているのだけれど、どれが一番トクなのかなあ、って。 "量"より"数"を食べたほうが満足度が高いんじゃあないかと思い、 今までは、1ネットに入っている数の多いSサイズばかり買っていましたが、 もしかしたら、MサイズやLサイズのほうが、量的にはお得なんじゃあないか。 特に今年、一時期野菜がものすごく高かった頃、 1ネット200円のみかんでビタミンを補っていたことを考えると、やはり量も大事なんじゃあないか。 ‥そう思って取り掛かったのが、以下の実験なのです。
全体の質量はほぼ体積(半径の3乗)に比例し、外皮の重さは若干、表面積(半径の2乗)の比例値寄りに なるのではないだろうか。 この考え方でいくと、半径が大きくなるほど外皮の比率は低くなるので、 全体の重量が同じであれば、可食部分(外皮を除いた部分)の質量は、Lサイズが最も大きいような気がする。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | total | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
S | 全体の重さ | 81 | 70 | 85 | 85 | 89 | 79 | 73 | 87 | 73 | 80 | 84 | 82 | 968 |
可食部分の重さ | 65 | 51 | 71 | 70 | 73 | 63 | 53 | 68 | 57 | 66 | 68 | 66 | 771 | |
外皮の重さ | 16 | 19 | 14 | 15 | 16 | 16 | 20 | 19 | 16 | 14 | 16 | 16 | 200 | |
味 | ○ | ○ | ○ | △ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | △ | ||
M | 全体の重さ | 125 | 104 | 122 | 105 | 103 | 114 | 104 | 126 | 100 | 114 | 1119 | ||
可食部分の重さ | 101 | 84 | 96 | 84 | 82 | 92 | 86 | 100 | 83 | 91 | 899 | |||
外皮の重さ | 24 | 20 | 26 | 21 | 21 | 22 | 18 | 26 | 17 | 25 | 220 | |||
味 | △ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | △ | ○ | ○ | ||||
L | 全体の重さ | 120 | 139 | 146 | 125 | 142 | 162 | 149 | 133 | 1116 | ||||
可食部分の重さ | 87 | 109 | 112 | 94 | 111 | 130 | 114 | 101 | 858 | |||||
外皮の重さ | 33 | 30 | 34 | 31 | 31 | 32 | 35 | 32 | 258 | |||||
味 | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
味の基準: ○:甘くておいしい、△:すっぱい、×:まずい
外皮の比率(外皮の重さ÷全体の重さ×100): S:20.36%、M:19.52%、L:23.12%
見事に予想が外れ、Lサイズの外皮比率は3つの中で最も大きく(可食部分の比率が最も小さい)、 Sと僅差でMサイズが最もお得という結果となった。
Mサイズは総重量でも一番重く、今回最もお得であった。 上記の表より、Sサイズは70g以上、Mは100g以上、Lは120g以上という目安があると察せられるが、 Mサイズの中にも120g以上の目方があるものが少なからずあり、それもお得に感じた。
ただ、Sサイズには二重丸をつけてもいいと思えるくらい味の良いものがいくつかあったことから、 数の多いSサイズも依然として捨てきれない。
Lサイズのみかんは外皮を剥くときの手触りからして皮が分厚く、数値を見る前から、 なんとなく歩留まりの悪さが予想された。 が、大きいものでは160gも目方のある個体もあるため、総重量の大きいネットを 上手に選べばそれなりにお得かもしれない。
また、ネネとチャアとうさぎの3人はみかんの内皮を食べるが、きりんは内皮を残す。 きりんの習慣で考えるならば、内皮の重さも量り、可食部分の重量から除く必要がある。 更に、唯一きりんは、甘いみかんの好きな3人とは異なり、すっぱいみかんが好みなので、 彼の基準からすれば、○をすっぱいみかん、△を甘いみかんとせねばならない。
ともあれ、たまたまなのか、必然なのか、今回は総重量にも少なからず差があったので、 上記の結果だけで判断するのは危険である。 たとえみかんが1ネット300円であろうとも、今後もみかんを買い続け、 実験を継続することが望ましい。
もう一つ予想外であったのは、重量を量るという手間により、皆がみかんを食べるのを控えるだろうという 予測が外れたことである。 チャアなどは、実験を面白がっているのか、早く結果が知りたいのか、 日頃にも増してすごい勢いでみかんを食べ続け、アッという間に30個のみかんがなくなってしまった。 2日半のみかん代が900円‥。 これは痛い。 この点に関して、実験方法改良の余地がある。