早くもハミルトン島で過ごす最後の朝がやってきた。
朝食は昨日と同じホテルの朝食レストラン「カスケード」で取ることにした。
カスケードの入口で、 「大人二人、子供二人。屋外席希望。ルームチャージでお願い。 部屋番号は1713、キリウサです」とうさぎが英語で言うと、昨日と同じ受付のおばさんが、
"Good!"(よくできました)
と褒めてくれた。
えへへー、褒められちったー♪
実は部屋で練習してきたんだー。
きのうは、ここでの質問にうまく答えられず、うろたえたから。
カスケードの朝食は種類が豊富である。
各種卵料理やパン、チーズ、ハムやソーセージ類、
シリアルといったアメリカンブレクファストの定番はもちろん、
果物が充実しており、メロンやスイカなどのスライスの他に、
各種フルーツの角切りを和えたフルーツサラダがあったし、
他にシロップ漬けの果物が何種類もあった。
また、スベスベした丸ごとのオレンジや青リンゴ、バナナなどが大きな籠に盛ってあり、
あまりにきれいなので、昨日は飾り物だと思っていたのだけれど、
皆が自分の皿に取っているのを見て、今日はうさぎも取ってきた。
一つ珍しい果物があったので、それも忘れずに皿にとった。
ビワよりふたまわりほど大きい卵型で、スターキングのような赤い皮。
中はビワ色で、トマト状になっている。
すなわち、果肉がほとんどなく、ブヨブヨのゼリー状の中に赤黒いタネが入っている。
味はすっぱめ、ちょっと苦い感じのする食べたことのない味だった。
名前を給仕の女性に尋ねたら、"TAMARILO" (タマリロ) というのだと教えてくれた。
新しもの好きなうさぎは、他にも珍しいものはないかと探したけれど、
そう変わったものはなかった。
ただ、一つ印象的であったのは、"みそ汁(Miso Soup)"であった。
最初コンソメに見えたそれは、やけに薄く、具は脇に別に置いてあった。
お好みの具を自分でトッピングする方式なのだ。
その具がまた振るっている。
小さなカサカサの角切りトーフ(高野豆腐かも?)、
干からびた長ねぎ、育ちの悪いモヤシ、
キュウリのみじん切り、
ナスの漬物‥。
ご丁寧にも黒塗りの蓋付き汁碗が用意されていたが、それに気づかなかったうさぎは、 大きなボールにたっぷりよそってしまい、その上、 冷たい具を全種類 (さすがに漬物を除く) のせて、すっかり汁を冷ましてしまった。 けれど、「妙な具の入った冷めた薄い味噌汁」はなかなか風情があり、 〔これはみそ汁とは別の料理なのだ〕と思って飲んだら、それなりにおいしかった。
他の3人の皿は、と見ると、案の定、日本のわが家で日常的に食べているようなものばかり。 菓子パンやトーストに、ベーコン、卵、ホットケーキ。 まったく、冒険心のない人たちだこと!
レストラン内は賑やかで、赤ん坊からティーンまで、子供の姿が目についた。
16歳以下は食事が無料のせいなのか、
今がちょうどスクールホリディ(冬休み)のせいなのか。
料理名にすべて日本語が書かれている割に日本人の姿はなく、
金髪碧眼の外人さんが黒塗りの汁碗にミソスープをよそって飲んでいた。
日本の料理が海外でも人気だと思うと、ちょっと嬉しい。