ホワイトヘブンビーチの砂、ハミルトン島のキャッツアイビーチの砂、グリーン島の砂。
同じグレートバリアリーフ内でありながら、全く異なる3つの砂。
それらは全て、無事日本の我が家に持って帰ってきた。
ホワイトヘブンビーチのすべすべした砂を触っていると、ネネが言った。
「ほんとにきれいだよねー。これを手に入れられて、ママ本当によかったね」
その素直な一言に、うさぎはちょっと不安になり、それで言った。
「でもね、本当は、砂を持って帰っちゃいけないんだよ」って。
「えっ、どうして?」とネネ。
「だって、皆が持って帰ったら、なくなっちゃうから」
しばらくの沈黙の後、ネネが呆れたように言った。
「‥ママ。いけないって分かっているのに、どうして持ってきちゃったの?」
「だって、すごく欲しかったんだもん」とうさぎ。すると。
「欲しかったからって、どうしてやっちゃいけないことするのっ?!」
チャアが横から怒鳴った。
チャアは恐い。
ギラギラ光る大きな目でまっすぐにうさぎを見据え、明らかに怒っている。
「だって、アンタたちだっていけないことするじゃない」と口をとがらすうさぎ。
「子供はいいけど、ママはダメなの! 大人はダメなの!」
と子供たちが同時に叫んだ。
‥そうだね。大人は子供のお手本だもんね。
いけないことしちゃいけないね。ゴメンナサイ‥。
「やっぱり50万円は高かったなー」ときりん。
「次に行くのは、やっぱりプールに入れるところがいいなぁ」とネネ。
「何が一番よかった?」と尋ねられても、いまいち分からないチャア。 島へのクルーズ、コアラの抱っこ、山に登って、ゴルフをやって‥。 今回はいつになく盛り沢山な旅だったから、混乱しちゃったんだね。
今回の旅行は、プール三昧の「楽しかったーっ!!」っていう旅ではなかった。
でも、その体験の豊富さは、何ヵ月もしてからボディーブローのように効いてきた。
「ダンディーズの料理はおいしかったよなぁ」ときりん。 「オーストラリアって、なーんかすごいよねー。 カンガルーがその辺で跳ねてるんだもんなー」とネネ。 「コアラってツメが尖ってて、抱っこすると痛いんだよね」とチャア。
今回は特に、いろんな可能性を見つけられた旅だった。
あんなこともできる、こんなこともできるようになったんだ‥って分かった旅だった。
逆に、できないことも分かったよね (シュノーケリングのことだよ) 。
この経験を元にして、またみんなでどこかへ行こうね!