王宮へ行ってきた翌日、うさぎが朝起きてまずやったことといえば、
部屋の前に配達された新聞を読むことだった。
"Borneo Bulletin"という英字新聞の一面には、うさぎが期待したとおり、
昨日の王宮参賀の最終日の様子がカラー紙面で特集されていた。
そればかりか、ちょうど真ん中のページが王宮参賀特集になっている。
うさぎはさっそく、写真の中に自分の姿を探した。
‥でも、残念、うさぎたちの姿はどこにも写っていなかった。
ま、よく考えてみればそれも当たり前。
報道陣の姿なんて全然見かけなかったもの。
ところで、その新聞を読んでいて気づいたことがある。 それは、第一夫人と第二夫人の呼び名の違い。 このお二方を英語ではなんと呼び分けるのだろうと思ったら、 第一夫人は、"His Majesty"(国王陛下)と対になる"Her Majesty"(皇后陛下)、 第二夫人は他の女性の王族と同じ、ただの"Her Royal Highness"(妃殿下)なのであった。 第二夫人は、"殿下"とは呼ばれても、"陛下"と呼ばれることは決してないのだ。
この新聞は、"Borneo Bulletin"というその名の通り、ブルネイ国内のみならず、
ボルネオ島内の東マレーシアでも購読されているらしかった。
そのせいもあってか、国外の記事が多い。
ブルネイ国内に関するものは、ハリラヤの話題くらいで、あとは周辺諸国の記事。
マレーシアをはじめ、ベトナム・フィリピン・インドネシア‥。
日本に関する記事も多く、中でも皇室関係の話題が目立った。
皇太子妃殿下が39歳のお誕生日を迎えられたという記事は1ページの3分の1くらい、
その数日後の天皇陛下のお誕生日の記事に到っては、まるごと1ページが割かれていた。
写真はいずれもカラーである。
ちなみに、その隣りのページには、
マレーシアのマハティール首相と日本の小泉首相との対談の記事であったが、
こちらは写真が白黒。
変わったところでは、雛人形メーカーの久月が
「ベッカム羽子板」を売り出したというニュースがあった。
うさぎの考える記事の重要度と、ブルネイの新聞が割く紙面の大きさのギャップが面白い。
新聞にはエンパイアも広告を出していて、 今泊っているホテルの情報を、新聞で知るというのが愉快だった。
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これはこれはなんとも贅沢なパッケージである。 きっと結婚式などでの利用を当て込んでいるに違いない。
新聞を読むと、その国の世相が分かる。 これだから新聞は面白い。