【 後知恵 】
「あなたは旅慣れているから、もう世界中どこへ行っても平気でしょ」
と人から言われることがある。
が、いやいやとんでもない!
いつもツアーを利用しているから、ホテルも航空券も、自分で予約したことがない。
もちろん、その方法すら知らない。
旅行に出かける前にはガイドブックを何冊も読み、
ホームページからの情報をしっかり頭に叩き込んで、
「ヨシ、これで準備はカンペキ!!」と思って出かけるのだが、
間が悪いのか、根がマヌケだからなのか、
「ナゼっっ?! どーしてこうなるのっっ??」
という目に一度も会わずに日本に帰れた試しがない。
もっと情けないことに、事態が起こってしまった後でも、
どうしてそういうことになったのか、さっぱり分からないことも多い。
プーケット編のバンコク乗り継ぎパニック事件もその一つ。
どうしてああいうことになったのか、はたまた一体どうすればよかったのか、
今だにさっぱり分からない。
ただ一つ、今回ホームページに載せるにあたり、
4年前に書いた旅行記を読み直してふと気付いたことがある。
それは、
「もしかして、パニックする必要などなかったのかも」ということである。
これまた4年振りにガイドブックをひっくりかえし、
バンコクのドン・ムアン空港の見取り図を読み解いてみると、
‥ああ、やっぱり。
この国際空港は広く見えるが、ゲートの数はたった7つしかないではないか。
しかもその7つはさして広くもないフロア、
つまり我々が必死の形相でパニックしていた広間に面して一列に並んでいる。
要するに、そこで待っていれば、
どのみち7つのゲートのどれかから、成田行きの飛行機に乗れたのだ。
成田空港には50以上もゲートがあり、
ターミナルビルだけでも第一ターミナル、第二ターミナル、
更にサテライトまであるから、ゲートの番号を違えようものならただでは済まないが、
ドン・ムアン空港はたった7つのゲートからバスで飛行機にアクセスするので、
そんなにゲートの番号に神経質になる必要はないのであった。
う〜ん、後知恵も後知恵、
4年も経って、やっとこの程度のことが分かったうさぎって一体‥。
でもま、いっか。無事に日本に帰ってこられたんだし。
ところで、パソコンの世界も旅行と同じ。
「ナゼっっ?! どーしてこうなるのーっ??」と毎日のように叫んでいる。
「で‥? 何をやったらこうなったの?」ときりんが聞くけれど、
何もイケナイことをやったつもりはない。
そういうと、きりんはいつもため息交じりにこう言うのだ。
「会社でもそうなんだよな。『ゼッタイ何もやってない』
ってみんな言いながら相談に来るけど、
調べてみると、得てしてとんでもないことをやってるんだよなー」
何が常識で何が非常識か。
旅行の世界でもパソコンの世界でもうさぎがそれを体得するにはまだまだ時間がかかりそう。
その試行錯誤の跡を、旅行記でとくとご覧あれ。
2001年7月28日 うさぎ