Fiji  マナ島とフィジアン

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【 バナナドリーマーと無愛想なマスターV 】

夕日

今日もやっぱりバナナドリーマー! 今はハッピーアワーではないので半額価格ではないが、構わない。
プールサイドのバーに行くと、ボーイさんの姿が見あたらず、仕方なくカウンターでマスターに注文した。

だが、「バナナがない」とのこと。 がっかりしてプールサイドのデッキチェアでぼんやりしていたら、向こうからマスターがやってきて、
「ナンディに帰るのか、マナに泊まるのか?」と話しかけてきた。 「マナに泊まる」と答えると、マスターは何も言わずに行ってしまったが、 あの無愛想なマスターがわざわざ話しかけてきたことに、なんだか感動してしまった。 もしかしたら、明日もうさぎがここにいるのなら、バナナを仕入れようかな、と思って尋ねたのかもしれない。

夕方、ハッピーアワーにもう一度マスターにバナナドリーマーを注文してみたが、やはり「ない」と言われた。 明日の朝はマナを発つので、結局おととい飲んだのが最初で最後の一杯だったわけだ。残念‥。

でも。昨夜のレストランでバナナドリーマーを注文したら、なにくわぬ顔で別のカクテルが出てきたことを思い出し、 勝手に他のもので代用したりせず、ないものはない、とちゃんと客に伝えるこのマスターは、 案外いいヤツかもしれないと思えてきた。 もしかしたら、このマスターは誇り高きバーテンダーで、 一見さんは相手にしないというポリシーを持っているのかも。 そうだとしたら、うさぎも3日間このバーに通い詰めた甲斐があったわけだ。 なにしろついに常連と認められ、マスターにお声をかけて頂けるまでになったのだから‥。

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