いよいよ車でフィジアンリゾートへ。フィジアンはナンディから南へ約60キロ、行ったところにある。
そこまでの道は、この国の誇る幹線道路「クイーンズロード」。
といっても、周りをサトウキビ畑や牧草地に囲まれた、片道一車線ののどかなフリーウェイである。
信号もなければ交差点もないのでドライブは快適。 60キロの道のりを40分間で走破すると、ヤヌザ島に渡る長い橋が見えてきた。 橋の両脇に並んだ色とりどりの三角の旗が誇り高くはためき、橋を渡りきったところには大きな石に刻まれた 「フィジアンリゾート」の文字。風格あるリゾートのたたずまいに、思わず背筋が伸びる。
橋を渡ってリゾート内に入っても、道はまだ続いた。 道の両側は椰子の木の林。どことなく整然とした林は、マナとはまた異なる雰囲気だ。
島内を車で走ること数分、ようやくエントランスに到着した。
ロータリー中央には噴水が高く水しぶきを上げ、庇の高い車寄せは、風格を漂わせている。
ロビーもゴージャス。天井がとても高く、たいそう広々としている上に、調度品も重厚な感じである。
さて、チェックインを済ませると、部屋に案内してもらえることになった。
レセプションを出ると、そこは両サイド共に緑の木々に囲まれた外廊下で、
きちんと手入れのされた植栽に彩られていた。
黒く細い根が絡み合ったようなマラマラの木の根には人の顔が彫り込んであり、エキゾチックな雰囲気。
この廊下の先にうさぎたちの部屋はあるのだ。
が。部屋は遠かった。うさぎたちの部屋がある「コーラルウィング」はレセプションから最も離れたところにある。 そこまでは日除けのついた廊下を歩くわけだが、これが長い。 どこまでも延々と続いており、レセプションから出てしばらくすると、案内役の人も 「じゃ、わたしはこれで」と頭を下げ、帰ってしまった。
地図を片手に長い廊下を歩く。 一本道なので迷う心配はないが、廊下の片側にしかない部屋の番号は歩いても歩いてもなかなかカウントが進まない。 今○○号室の前、次は△△号室と、わが家の部屋番号との差を指折り数えて歩くものの、 一向にわが家は近づいてこない気がする。
歩き疲れたころ、ようやく部屋の前に到着。 なんとレセプションから部屋までは、10分も掛かったのであった!! しかも、客室としてはこの辺が端っこであるものの、この先にもまだまだリゾートの敷地は続いている。 恐るべし、フィジアンリゾート! 音に聞こえた44万平米の敷地とは、こういう広さであったのだ。
部屋のドアは堅牢そうな分厚い一枚板。そのドアをカードキーで開ける。 おや、このキーはどこかで見たことが?と思ったら、シャングリラ・ホテルズ共通のデザインであった。
部屋のタイプは「ファミリールーム」。
64平米ほどの空間に、ダブルベッドが一つと、ソファ兼用のシングルベッドが二つある。
グリーンの葉と赤い実の大胆な模様のベッドカバーがすてきだ。
それに、部屋と洗面所の間にドアがないのが気にいった。洗面所とバス・トイレの間にドアがあるのも気に入った。
第一、マナの部屋にはなかったバスタブがあるのが、しみじみうれしい。
洗面所は大理石貼りのカウンターが広く、その前一面に天井近くまで貼った鏡が余計広さを感じさせる。
それに、電気が明るい!
アメニティは簡素なものの、石鹸がフィジー製のココナツソープ。この洗面所はかなりポイントが高いぞ。
部屋は一階にあり、青々した芝生の庭に面していた。その向こうにはこれまた青い海! ここも環礁に囲まれているらしく、ビーチからはるか沖の方で白い波が立っている。 やっぱり美しい景色はいい。まるで物語の中にいるみたいだもの。