Fiji  マナ島とフィジアン

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【 ヤヌザ島のビーチ 】

ヤヌザ島のビーチ

部屋の前の芝生を挟んでその向こうはビーチ。うさぎはそこで貝を拾った。
このビーチも砂が白くて美しく、マナの砂と見分けがつかない。 貝の数はマナ以上で、チョココロネのような形の巻き貝や、丸っこい巻き貝、タカラ貝や、二枚貝‥、 様々な形の貝をたくさん見つけた。
だが、あんがい持ち帰れる貝は少ない。なぜならば、すでに持ち主がいるからである。 その「持ち主」とはヤドカリ。壊れていない巻き貝にはたいてい、ヤドカリが住んでいるのだ。 また、本来の持ち主である「貝」そのものがまだ生きているものも多い。

最初は貝を持ち上げて初めてその持ち主がいることに気づいたが、しばらくすると、 一目見ただけでおおよそ持ち主がいるかどうか見当がつくようになった。 穴を下に向けている水の中の貝殻にはたいていヤドカリが住んでいる。 岩に張りついていたら、それは生きている貝だ。 砂の上に、穴を上や横に向けた状態で無造作に転がっているものだけが、お持ち帰り可能な貝殻なのだ。

とにかくここには生きている貝が多く、丸っこい形の巻き貝はほとんど生きていた。 火山岩のようにゴツゴツしたサンゴ岩には、びっしりと丸っこい巻き貝が張りつき、まるで貝のアパートみたい。

ビーチの上の方はサンゴのかけらが波に寄せられ、まるで瓦礫の山のよう。 その中に貝殻も混じっていた。 ああ、部屋の目の前のビーチにこんなに貝が埋まっていると知っていたら、 「シェルマーケット」という名に釣られることもなかったのに――。

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