ラグーンテラス・レストランは、今夜イタリアンビュッフェ。価格は一人32ドル (2000円弱) 、悪くない金額だ。 きりんとうさぎは今晩の夕食をここで取ることにした。
ビュッフェは朝食の時と同じ場所に料理が並び、品数も同じくらい。
手の込んだ料理は少なく、朝の卵の調理コーナーが、お好みパスタのコーナーに変わっていた。
きりんはここでミートソーススパゲッティを作ってもらい、うさぎは色とりどりのツイストパスタに海産物を加え、
ホワイトソースで和えてもらった。
充実していたのはデザートのコーナーで、
新しいケーキがどんどん出てくるのをつい片っ端からテーブルに運んで試していたら、口が甘々になってしまった。
なんか、イタリアンビュッフェというより、ケーキビュッフェに来たみたい。
膨大な量のケーキにやっと片を付けた頃、うさぎたちのテーブルに楽隊が回ってきた。
大小のギター(それともウクレレか何か?)を携えた3人のフィジアンのスタッフが、歌を歌ってくれるのだ。
「歌は何がいい?」と聞かれたので、
「『イサレイ』を歌って。
明日の朝、日本に帰るから」と答えると、3人はギターを構え、うさぎの顔を見ながら歌ってくれた。
きりんはテーブルから少し離れてビデオを回したが、うさぎはカメラを構えることも忘れて椅子に座ったままだった。
楽隊の男性3人に見つめられているばかりか、レストラン中の人がこっちを見ているので、恥ずかしくて、
椅子に座ったまま固まっていたのだ。
歌は長く続いた。きっとフルコーラスで歌ってくれたのだろう。うさぎはだんだんしんみりしてきた。 明日は日本に帰る。楽園の日々ももう終わり。そう思うと、涙が出そうになった。