Fiji  マナ島とフィジアン

<<<   >>>

【 フィジーでなくてもできること 】

成田

いよいよ今日は日本に帰る。エア・パシフィックの成田行きは週二便。 うさぎたちが今日木曜日に乗って帰る飛行機が、今夜また成田で新たな観光客を乗せ、ナンディに引き返してくる。

飛行機に乗り込むと、酔い止めの効いた子供たちはさっそく眠ってしまったが、数時間ののちに目を覚ますと、 また「トランプをやろう」と言い出した。それで、横一列に並んだ状態でまたもや「大貧民」をやった。
今回の旅行は、寸暇を惜しんでは「大貧民」三昧。 ここまでくると、なんだかトランプも旅の大切なファクターのような気がしてくる。 トランプをやり続けている限り、旅行も終わらないような‥。

約8時間のフライトの後、雨の日本に帰ってきた。 霧の中を降下していった飛行機は、水しぶきを上げて滑走路に滑り込んだ。
入国手続きと税関を抜け、JRの駅に着くと、なんと電車はたった今行ってしまったばかり。 一時間も駅で次の電車を待つ羽目になった。
「せっかく時間があるんだ。大貧民をやろう」と子供たちがいうので、ゴテゴテと荷物を侍らせたまま、 また駅のベンチでトランプを配った。
いつもなら、滞在国を後にした途端、早く日本のわが家に帰りつくことしか頭になくなるのに、 今回は日本に帰り着いてもまだ旅を楽しんでいる。 「フィジーでなきゃトランプはできない」とネネは言っていたけれど、 日本に帰って来てもまだトランプをやっているじゃないか。

電車に乗っても、ボックス席を確保し、まだトランプを続けた。 この辺りからフィジーでは負けつづけていたネネとチャアに運が回ってきて、二人が大富豪・富豪になった。

フィジーでなくてもトランプはできる。
でも、こんなふうに4人で過ごすことの楽しさを教えてくれたのは、
やっぱりフィジーという国だったのではないか

――そんな気がした。

<<<   ――   8-1   ――   >>>
TOP    HOME