Guam  丘の上のリゾート・レオパレス

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【 ラクエスタ 】

レオパレスのマンション型宿泊棟、通称「ラクエスタ」は四棟建てでAからDまであり、うさぎたちの部屋はC棟にあった。 ラクエスタC棟の建物に入ると、エレベータの前にこれまただだっぴろい空間が広がっていた。 ホールの端には大きなクリスマスツリー。 このがらんとした大空間の縦と横の広がりには、なんだか自分の体の方が縮んだみたい。

エレベータを四階まで上がり、大きな素焼きの甕のあるエレベータホールの吹き抜けをぐるりと迂回し、 長い廊下を通ってようやく部屋に到着。 大きな甕はただのインテリアかと思いきや、後にルームメイドがそこに使用済みの洗濯物を投げ込み、 仮置き台として使っていた。

部屋に入るドアには二つ鍵穴があり、それぞれについてカギを二周回す仕組みになっている。 さっきその鍵の説明をクラブハウスで受けたとき「なぜそういう仕組みになっているのですか?」と質問したら、 「防犯の為です」とカブキさん。 でも、同じ鍵を使う鍵穴を二つ作り、鍵を一周ではなく二周回すことが、ほんとに防犯に効果的なのか? ただ面倒くさいだけじゃないのかなあ???

鍵をあけて中に入ると、そこには事前に旅行のパンフレット等で見た通りの、素敵な部屋が待っていた。 白いカーペットに白い壁、ほのかにピンクがかった調度品に、ピンク系のカーテンがよく似合う。 女性的で優しい雰囲気の部屋だ。
そして広い。 贅沢にも135平米を2LDKにしているものだから、キッチンが広い。リビングが広い。二つある寝室も広い。 ウォークインクローゼットが広い。 しかもこれらが全て一続きの空間として広がっているのだから、解放感がある。玄関を入ったら、ドアもなくリビング。 どうやら日本人向けを意識したらしく、玄関には大理石張りのたたきがあるのだが、 カーペットとの段差もなければドアもないので、玄関もリビングの一部に感じられる。
玄関のたたき脇にある浴室は、ごくごく一般的なホテルのバスタブだが、主寝室の浴室は素敵!! 日本人向けらしく、洗い場がある。床も壁も天井も大理石張り。ちょうど座るのに良い高さの台になっている部分もある。

各部屋を見回り、うさぎは言った。

「そうそう! わたしはこういうおうちに住みたいの!!」

「ほら、この玄関からドア一つなくリビングってところがいいの。 それに、玄関のドアを開けてもリビングが丸見えにならず、見えるのは壁の前に置かれた小机ってとこがオシャレよね。 玄関のたたき脇の浴室は、靴を履かないといかれないからいまいち使えないとしても、 主寝室内のバスルームの扉が強化ガラスってのは開放感があっていいわね。 この間取りとインテリアは、かなり、か〜なり、わたしの理想に近いわ〜♪」とまくしたてるうさぎ。
「あ〜、ハイハイ」ときりん。

洗面所に並ぶアメニティグッズは見たこともない充実ぶりで、日焼け止めやソーイングセットまであった。 石鹸だけでも、ボディソープ・ハンドソープ・高級ソープ・最高級ソープと四種類もあった。 アメニティグッズが「どうだ、驚いたか!」と言っているようで、可笑しい。

また、それぞれのベッドの脇には「小室哲哉からのクリスマスプレゼント」と銘打った黒い小袋が置いてあった。 中身は貝とビーズでつくったブレスレット。 どうやらこれも、ホテルのイルミネーションと並ぶ「小室哲也プロデュースのクリスマスキャンペーン」ってやつの一環らしい。 出発前、グアム観光局のホームページで読んだ。グアムにまで来てなぜ「小室」?とは思うが。 ブレスレットは大人が貰って嬉しいようなものでもなかったが、ネネとチャアは喜んで、 早速、日本から持ってきた小さなウサギのぬいぐるみの頭にかけた。

さて、部屋を一通りチェックしおわると、ネネとチャアは自発的に寝る準備をしはじめた。 すなわち、自分たちの部屋に入って衣類をきちんとたたみ、ワンピースをハンガーに掛け、 屑かごの外かごを脱衣かごに見立てて脱いだ靴下を投げ込むと、歯磨きをした。 そして、一人づつそれぞれのベッドに収まり、声を揃えて「おやすみなさーい!!」と言うと、一瞬にして眠ってしまった。
〔いつもながら、なんて躾けの行き届いた子たちなんだろう。一体誰が躾けたんだろうな〕 うさぎは部屋のあちこちに脱ぎ散らかしたままの自分の衣類を拾い集めながら考えた。

さあて。うさぎも早く寝たいが、大人にはいつもの仕事がある。うさぎはメモ書き、きりんはバッテリーの充電。 うさぎは簡略なメモを書くと、きりんより一足先に眠ることにした。ごめんね。現在グアム時間で3時半過ぎ。おやすみ‥。

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