レオパレスリゾートは丘陵地帯にあり、 他のホテルが軒を連ねるタモンビーチやグアムのオフィス街であるアガニャ地区から離れている。 けれど、タモンビーチにある提携ホテル、ウェスティンリゾート行きのシャトルバスが一時間に一本ないし二本出ており、 夕刻にはこのバスがアガニャにあるショッピングセンターにも寄るというので、 きりんとうさぎは子供たちを寝かしつけて買い出しに出かけた。
レオパレスリゾートのマークが描かれた白い大型バスは、 山道を抜けると間もなくアガニャSC(ショッピングセンター)に着いた。 時間で言えばほんの10分ほどだろうか。空港からホテルへ行く時に通った道沿いである。
辺りはもうほとんど日が暮れていて、暗い。
薄闇の中、コの字型の平屋立ての建物が広い駐車場を抱いているのが見え、バスはその駐車場の隅に止まった。
エアコンの効きすぎたバスから降りると、一転してムア〜〜ッとした蒸し風呂のような熱気がうさぎたちを包んだ。
駐車場の周りには回廊が続いており、それに面して小売店が連なる中を、
うさぎたちはコの字の縦棒付近にある食料品のスーパーを目指し、歩きはじめた。
だがその道は長かった。この熱気の中では、ほんの数メートル歩くのもおっくうである。
なのに目指すスーパーは、はるか遠く、あっちの辺にあるのだ。
そこでうさぎたちは、回廊に面する店々に道草して涼みながら歩くことにした。
ところが店の中はこれまたエアコンが効きすぎていた。まるで冷凍庫の中にいるみたい。
ほんの暫くいるだけで体が芯から冷えてしまうのだった。
うさぎたちは、暑い外から店の中に逃げ込み、また寒い店内から逃げ出し、逃げ込んでは逃げ出しを繰り返して、
ムア〜〜ッ、キーン、を交互に体験しながら、ようやく食料品売り場へたどり着いたのだった。