ようやく食料品売り場にたどり着くと、それは"Payless Supermarket"(ペイレス)という名のスーパーだった。 その名はどこかで見たことがある。読んで字のごとく、値段の安いスーパーという触れ込みであった。
ペイレスは売り場が広いだけあって、エアコンがキンキン効いていないのがありがたかった。
入り口付近にはクーポン券が満載のチラシが置いてあって、まずはうさぎの胸をわくわくさせた。
そして中に入ると、そこは懐かしいアメリカのスーパーだった。
うさぎは中学生の時にミネソタ州に行き、そこでアメリカの巨大なスーパーに驚いたことがある。
なんだか巨人の国に来たみたいなんだよね、全てが大きい。大きなカート、大きな食べ物、大きな飲み物‥。
肉が大きい、コーンフレークの箱が大きい、飲み物のボトルが大きい!
この20年で日本のスーパーも大分アメリカサイズに近づいたから昔ほどの驚きはないが、
それでもやっぱり飲み物のボトルとかパンの大きさには驚いてしまった。
カート大きいと、気も大きくなるのだろうか。気がついたら食料品をどっさり買い込んでいた。 ちょっとうさぎ、そんなに買い込んでどうするの?! ほんの数日しかグアムにいないのに‥。 レジで43ドルと言われて、初めてそのことに気づいたりして。
買ったものは、骨付きの肉を1キロ位、
〔トロピカルドリンクのボトル(控えめな大きさのを買ったけど、それでも大きい)〕、
〔ばかでかい袋入りの派手な色のクッキー〕、ばかでかい袋入りのポテトチップス、
ばかでかいクラフトのパルメザンチーズ、
ネネとチャアに買ってきてと言われていたおやつ (グミみたいなのとチョコレート) 、〔チューペット〕、
〔水を足して作るドリンク〕、牛乳、そら豆のスープの缶、レンジでチンして食べる冷凍の朝食用キッズミール、
マッシュポテトの素、それに、〔トレーにごっそりと詰まったクリスマスクッキー〕。
ここで〔 〕付きのものは、全て失敗だった。要するに派手な色がついたものは、全て不味かった。
チューペットとドリンクはどれもただの色付き砂糖水で、合成着色料のいや〜な味がした。
袋入りのクッキーと、緑や赤の毒々しい着色が施されたクリスマスクッキーは、
――なんでこんなに沢山買い込んでしまったのか、本当に不思議だが――、
どっちもやっぱり合成着色料の味がして誰も食べず、日本に帰ってからうさぎがひたすら責任をとって消費した。
きっと今ごろ胃が極彩色に染まっていることだろう。
日本だったら金輪際買わないようなものを、何だからってこんなに買ってしまったのだろう?
まったくもって不思議である。