夕食の後、カブキさんが待つスターウォッチングへ。 うさぎは夕食の後片付けがあるので、他の3人に先に行っていてもらった。 スターウォッチングの部屋は、同じ棟の最上階にある、ルーフバルコニー付きの部屋だ。
うさぎが遅れて行くと、皆はルーフバルコニーにいた。 わが家の3人と、カブキさん、それにチャモロ人の若いスタッフが一人。 そこには口径の大きな天体望遠鏡があり、それがコンピュータに繋がっている。 望遠鏡が星の動きを追うようにプログラムされているのだそうだ。
今夜は曇りがちで、星が雲から出たり入ったり。でも、木星と土星をしっかり望遠鏡で見ることができた。 チャモロ人のスタッフがコンピュータを操作して、星に照準を合わせてくれる。 それを、望遠鏡に触れないように、そっと覗く。 倍率はそんなに高くはないらしいけれど、木星の縞や土星の輪がちゃんと見えた。本で見るのと同じ姿で、ちょっと感激♪
惑星が雲に隠れてしまうと、星空を見上げながら、昨日の星の名前のおさらいをした。
グアムは緯度が低いので、日本で見る空とはちょっと違う。
さすがに南十字星は見えないが、日本では見られない星や星座も見られるそうだ。
一人に一つ、レオパレス特製の星座表をもらい、夜空を見上げた。
日本でもお馴染みのオリオン座のペテルギウス、全天で一番明るい一等星シリウス、すばる星群、
そして東京では見られない赤い星カノープス‥。
子供の頃にどこかで習ったことがあるけれど、すっかり忘れていた星の名だ。
カブキさんが一つ一つの星に愛情を持って、熱心に話してくれた。
そんな話に、チャアはちょっと飽きちゃっているけれども、ネネは興味津々。
誰よりもスバルの星が沢山見えるので、得意そうだ。
10時近くなるとすっかり空が曇ってしまったので、部屋の中で星座のビデオを見せてもらった。 うさぎが来る前にすでに他の3人は見たそうが、ネネは「もう一回見る」と言って、うさぎと一緒に見た。
帰り際にカブキさんは言った。
「この間のしし座流星群の時は賑やかでしたよー。日本から天体ファンがたくさんやってきましてね。
この部屋で夜通し、皆で星の話をしたものです。
ほら、ここは山のてっぺんで、視界を妨げるものが何もないから、天体観測にはもってこいなんですね。
天体ショーのあるときには、日本のあちらこちらから、天体ファンが集まってくるんですよ」
カブキさんは楽しそうに目を細め、そしてこう続けた。
「春や夏にはまた違った星座が見られますからね、別の季節にまた来てごらんなさい」
その一言に、うさぎは
毎シーズン、別荘のようにここに来ようかな
と、マジで思ってしまった。 星座にそれほど興味があるわけではないけれど、このおじいちゃんの話を聴きにくるだけでもいいよねえ‥。