アガニャSCに着くと、うさぎたちはバスを降り、二手に分かれて駆け出した。
うさぎは本屋とタウンハウスへ、あとの3人は食料調達のためペイレスへ。次のバスまで約30分。
この間に買い物を済ませなければならない。
「昨日食べた肉と、バターと、サラダを買ってね」とうさぎはきりんに頼んだ。
だが、次のバスでレオパレスに帰り着き、きりんの買ってきたものを見て、うさぎはびっくり!
どでかい肉のパックが牛、豚と二つもある。
豚なんか、日本の肉屋ではちょっとお目にかかれない厚みと大きさで、一体こんな肉をどうやって調理するんだろう???
という感じである。
「こんなにたくさん食べられるの――?!」といううさぎに、
「大丈夫。まだ3日もあるから」ときりん。昨日のステーキがもう一度食べたいと思っていたうさぎは、
「今日はちょっと違った肉にしてみました」というきりんの言葉にがっかりした。
早速買ってきたものを調理してテーブルに並べると、華やかな食卓になった。 パン、念願のマッシュポテト、シーザーサラダ、それに牛のステーキ。 けれど、ステーキだけはどうもうまくなく、バターをフライパンに引いて肉を焼いたら、 縁が反り返ってお碗のような形になってしまった。 そして、その形を是正しようとひっくり返したら、お碗の中に蒸気がこもり、肉が煮えてしまった。
煮えたステーキはパサパサで固かった。調理に失敗したからこんなに不味かったのかと思いきや、うまく焼いても、 やっぱりこの肉はパサパサで硬くてどうにも食えないシロモノだった。 そしてうさぎはこの日以来、食べても食べてもまだあるこのステーキに、悩まされる羽目に陥ったのであった。