リバークルーズから帰ってきてバスを下りたのが3時40分。 その約30分後にフィッシュ・アイディナーショーのピックアップバスがやってきた。 なんだか信じられない過密スケジュールだ。
まずバスは、桟橋の前に到着。ここから桟橋を渡って水中展望台までいくのだ。 前にここに来たときには、大きなパラソルを差して桟橋を渡ったものだが、 今は夕暮れで日差しが強くないので差す必要がない。ちょっと残念。
桟橋のたもとでは、ポリネシアンのお姉さん二人とカメラマンが待ち構え、 ツアー客の首にレイを掛けては写真を撮っている。どうやらここで写真に納まらないことには、通して貰えない様子。 おまけにポーズの指定まであり、お姉さんの指示に従い、うさぎたちも写真を撮った。 案の定、この写真はあとで15ドルにて販売された。
水中展望台に着くと、ままりんは窓から海の中を覗きながら言った。
「これって、二重ガラスになってて、魚はその間にいるんでしょ? だってそうじゃなかったら、
魚がみんな逃げちゃうものねえ」
「いえいえ、違うわよ」待ってましたとばかり、うさぎは言った。
「水槽になっている所も一か所だけあるけどね、他はみんな本物の海よ。
見て、上の方にエサが吊るしてあるでしょ。だから魚が寄ってくるの」。
飽きない程度に水中展望台を覗いたら、次はお待ちかねのポリネシアン・ディナーショーである。 レストランは通りを隔てた向かい側なのだが、わざわざバスに乗って移動した。 横断歩道が一本ないがために、こういうことになったのだ。
ディナーショーの席は、後ろの隅っこだった。
いい席をゲットしたくて、いち早くレストランに入場したのだが、こんな席に案内されてしまった。
こういうディナーショーの席って、一体どうやって決めるのだろう? 単にランダム?
ツアーを申し込んだ順? それとも代理店に関係するのだろうか。
一つ思い当たるのが、選んだメニューが関係しているのではないかということ。
このディナーショーのメニューは「バーベキュー」と「シーフード・ビュッフェ」の2種類あったが、
ビュッフェは客席の後ろの方に設えられているので、それに申し込んだ人を後部席に配している可能性はある。
「シーフード・ビュッフェ」の方が「バーベキュー」より3ドル高かったんだけど‥。
もしかして、わざわざ高い料金払って、席でソンしていた?!
まあそれはともかく、ビュッフェは充実していた。
ただ、料理を取るには長蛇の列の後ろに並ばなくてはならなくて、
昼間の活動で疲れたうさぎは〔やっぱりバーベキューにすればよかったかなあ〕と内心後悔した。
それでもビュッフェに並んでいる料理を全て試して見なくちゃソンした気分になるのが、うさぎの性分。
疲れた体にムチ打って何度も並び、皿にちょっとづつ、あれやこれやをよそってきた。
様々な魚の刺し身や海産物のフライなど、シーフード・ビュッフェというだけあって、さすがに海産物が豊富である。
けれど、豊富なメニューの中で特に美味しかったもの、それは薄手のステーキであった。 目の前で焼いてくれるので温かく、スパイシーなタレが美味しくて、こればかり何度もおかわりした。 シーフード・ビュッフェで肉ばかり食べてくるとは、やっぱりバーベキューメニューの方が良かったのかも‥。
食事が一段落すると、ショーが始まった。 ここの舞台は「海の小島」といった感じの設えで、小さな滝があったり、 ダンサーが船に乗って現れたりといった趣向を凝らしてあった。 ショーの内容は、10数人のダンサーが3〜4人の楽隊の演奏に合わせて踊り、ゆっくりした踊りあり、 激しい踊りあり、火を使ったダンスありと、様々だった。踊りによって衣装も様々。華やかな舞台であった。
観客がダンサーに混じって踊るコーナーもあったが、後ろの方の席には声がかからない。 ちょっとでも自分が参加できると、また一層の思い出になるのだけれど。‥やっぱりバーベキューの方が‥?!
ショーが終わる頃、給仕が飲み物の料金を徴収しに来た。
ジュース2杯に10ドルほど支払うと、なんだかため息が出た。
語り種になるくらい美味しいジュースならともかく、薄〜いジュースが一杯5ドルとは‥。
ショーは楽しかった。
水中展望台もよかった。
料理も悪くなかった。
でもきっと、
時が経ってから「ポリネシアン・ショー」と聞いて最初に思い出すのは、
10ドルもした薄いジュースのことに違いない。