フルーツワールドに到着すると、待っていたのは日本人の女性インストラクター、レイコさん。 それに、チャモロ人のトラクター運転手兼デモンストレーターのジミーさん。
ちょっとトイレ休憩をとった後、一行はトラクターに引かれた2両編成のトラム(客車)に乗って、
園内を巡る旅に出発した。
「ただ果樹園をまわるだけなのに、なぜわざわざ乗物に乗るかなー?」と最初は思ったが、ここは山あり谷あり、
激しいアップダウンがあり、暑い最中に徒歩はちょっときついかも、という地形だった。
その激しい坂の狭い土の道を、ごついトラクターがボコボコと音を立てながら下る。
トラムの方も、牽引トラクター同様のごつい大きなタイヤが付いている。
こういうタイヤでないと坂を登ったり下ったりできないのだろう。
「みなさん、カメラやビデオを落とさないように、くれぐれも気をつけてくださいね。 トラクターのタイヤに引かれるとペッチャンコになってしまいますからね」とレイコさん。 本当に、何でも押しつぶしてしまいそうな、すごいタイヤだ。
道の脇に迫り出すように、ここには様々な植物があった。
「フルーツワールド」と銘打ってはあるけれど、果樹だけではなく、熱帯の植物がいろいろ植わっていた。
色とりどりのブーゲンビリア、真っ赤な葉のポインセチア、その実をすりつぶしてパンを焼くという『パンの木』、
その実でご飯に色を付けるという『アチョーテ』‥。
今朝食べたチコの木もある。その他にも、名前の分からない珍しい植物が沢山植わっていた。
葉っぱがくるっと巻いているのや、長ーい毛糸のような花や。
様々な種類の植物が雑然と植わっているので、まるでジャングルみたいだ。
何でも、台風から木を守る為、わざと原生林の中に果物の木を植えたのだそうだ。
トラクターに乗りっぱなしかと思いきや、トラクターから下りて園内の一角を自由に散策する時間もあった。
歩きながら、枝になっている実を食べてみたり、花に触れてみたり。
ままりんは道端に落ちた花や実を拾うのに余念がない。おみやげは"買わず"に"拾う"、さすが、うさぎの母だ。
自然って、遠くから眺めるだけじゃなく、こんなふうに触れてみるのが楽しいんだよね。
園内には植物だけでなく動物もいて、アヒルやら水牛の赤ん坊やらが気儘に歩き回っていた。
レイコさんの話では、他にも野性のニワトリや大トカゲや椰子ガニがいるそうだ。
道の端に落ちている真っ白で細長い巻き貝は何かかと思いきや、カタツムリの殻だそうだ。