トイレ騒動が一件落着したあと、うさぎたちは昨日も訪れた九龍公園にまたやってきた。 とはいえ、九龍公園は広い。 イベントの行われる広い場所からしっとりとした中国庭園、 洋風の花壇もあれば、広々としたプールもあり、 フラミンゴの遊ぶ池、子どもの遊具広場まで、何でもある。 中国庭園にやってくると、 子どもたちは昨日ビクトリアピークで買ったラムネのブレスレットを池の鯉やら亀にやりはじめた。 なんでもこれ、腕にはめられるのが楽しくて買ってみたものの、味のほうはイマイチなのですと。
そうこうするうち、小腹が空いたので、何か食べられるものを売ってる店を探した。 中華風の回廊を通り、中国象棋に興じるおじさんたちの脇をすり抜け、階段を下りると、 あった! そこにアイスクリームスタンドがあった。 しかもこれ‥マックだ!
マクドナルドなのだけれど、アイスクリームスタンド。 アイスクリームスタンドなんだけれど、マクドナルド。 ハンバーガーもポテトも売っていないマクドナルドである。 あまりに違和感なく存在していたので、 こういうの、もしかして珍しくもなんともないんだろうか、としばし考え込むうさぎ。 少なくとも、うさぎにとっては初めての出会いのように思える。
いずれにせよ、アイスクリームではお腹がいっぱいにならないので、ホンモノのマックはないかと探した。 手回しの良いことに、アイスクリームスタンドには「マクドナルドはこちら100メートル先」と書いてあり、 ホンモノのマックは公園を出たところにすぐ見つかった。
香港はマクドナルドが多い街である。 犬も歩けばマックにあたる。街中マックだらけである。 九龍地区だけでも、その数実に64店舗。 香港島内にも58店舗ある。
さて、その香港のマクドナルドのメニューで変わったことといえば、 フィッシュディッパーにわさび味のディップ「日式芥末醤(Wasabi flavoured sauce)」があったこと。
えっ? 日本にもあるって――?
確かに。これを書いている2004年6月現在、日本でもわさび味のディップがすでに発売されている。 だが旅行当時の3月はまだなかったのだ。 つまり、わさびの本場日本よりも発売が早かったことになる。 尤も、フィッシュディッパー自体の発売も1、2ヶ月早かったらしい。
ではここで恒例の一句。
故郷(くに)離れ ツンと鼻さす わさびかな