バリで過ごす最後の日、うさぎたち4人はアラムプリでのんびり過ごし、 ほとんど何もしなかった。
飛行機がバリを離れるのは深夜だったから、ほぼ丸々1日あった。
行こうと思えば、クタやヌサドゥアに行くこともできたはずだ。
ヌサドゥアでは、
一年に一週間しか行われないというヌサドゥア・フェスティバルをやっていた。
でもきりんとうさぎは、どちらからともなく
「もう、今日はここでゆっくりするんでいいよね」と言い合い、
朝食を終えるとまたベッドにもぐりこんだ。
ちょっと横になったあとはまたリゾート内をウロウロして、プールに浸かったり、
あちこちで写真を撮ってみたり。
庭をうろついていると、アユや他のスタッフたちが気をつかってあれこれ聞いてきた。
「車を出しましょうか? クタへショッピングへ行かれては?」とアユ。
「デンパサールのローカルマーケットは? そういうのお好きでしょ?」とルディ。
昨日のバイクツアーに喜んだのが、もう伝わっているらしい。
うさぎが、
「今日はもう、夕方空港に行くまではどこへも行かない」と答えると、
スタッフは皆、不思議そうな顔をした。
でも、うさぎにとっては、今日が初めての「アラムプリで過ごす一日」だった。 3日前の夕方遅くこのリゾートにやってきて、 一昨日は一日中アラムジワで絵を描いていたし、 昨日はバードパークだ、バイクツアーだと出かけてばかりいた。 一日ぐらい、このリゾートの景色をのんびり眺めながら、ゆっくりしたいではないか。
それに、バイクツアーは、うさぎたちにとってバリ旅行の集大成だった。 あの素晴らしい経験でこの旅行を締めくくり、 その思い出を抱いて日本に帰りたかったのだ。