【 楽園ゴールデンサンズ 】
エデンフェリンギを出ると、うさぎたちはゴールデンサンズのプールへ直行した。 メインプールから直接来たので、うさぎ以外はみな服の下に水着を着たままだ。 ネネとチャアはＴシャツを脱ぎ捨て、プールの中へ。きりんもビデオを持って追いかけた。
でも、うさぎはもうダメ‥。 空いているデッキチェアを二つばかり見繕い、椰子の木の下に持ってきて、さっそく居眠りに入った。
こんこんと眠ること３時間近く、ふと起きるともう３時だった。
デッキチェアから身を起こし、改めてゴールデンサンズを見渡すと、そこはこの世のサンクチュアリであった。
ひたすら明るく、ひたすら楽しいこの世の楽園。
ラササヤンにある高級感や優美さの代わりに、ここにはひとなつこい陽気さが溢れている。
植え込みと不定型な曲線のプールが絡み合い、その向こうに椰子の木と芝生、そして海がある。
群青色のタイルがきらめくプールには子供たちがはしゃぎ、
大人たちは黄色いタオルの掛けられた白いデッキチェアで思い思いに寛いでいる。
ネネとチャアは――と探すと、二人はウォータースライダーで遊んでいた。 ここのウォータースライダーは主に子供向けで、勾配のゆるい短い石製のスライダーが一本、 浅いホールめがけて降りてきているだけである。 ただ面白いのは、スライダーの先端が水面よりもかなり上にあることで、スライダーを滑り降りて着水するまでの間に、 空中に浮かぶ時間が一瞬ある。 どこかへ飛んで行きそうなその一瞬が面白いらしく、ネネとチャアは階段を上っては滑り、 上っては滑りを際限なく繰り返していた。