Philippines  セブ・マクタン島

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【 エピローグ 】

しまった! 海に行くのを忘れていた!

旅行から帰ってきてから、「海はどうだった?」と皆から聞かれ、そのことに初めて気が付いたうさぎ。 ダイビングのメッカであるセブに行って海を見なかったとは、片手落ちもいいところ。 さすがに本当のことは言えず、きりんが撮った写真を見ながら答えてごまかした。 ビーチの砂を眺めるのが趣味なのに、今回はそれもナシ。 ビーチのことはすっぱり頭から抜けたまま、日本に帰ってきてしまった。 ラグーンがあまりに美しかったので、プールがあまりに楽しかったので、ビーチのことは思い出しもしなかったのだ。

ところで、「セブに行った」と言うと、これまた皆に尋ねられるのが「ぼったくりに合わなかったか」という質問である。 空港の入国審査、トイレ、税関、セキュイティチェック、街、ホテル。 セブのありとあらゆるところに法外なチップを請求する輩が潜んでいて、 たいていどこかでイヤな目に遭うというのが通り相場らしく、「何もなかった」と答えると悔しがられる。 うさぎの方も、そういうことがなかったのは幸いと思いつつ、ある意味フィリピンらしさを体験し損ねたのかも、 と思うと複雑である。

もっとも、そもそもうさぎはセブに行きかったわけでも、フィリピンという国に行きたかったわけでもない。

泊りたいホテルがたまたまフィリピンにあるだけの話

――旅行に行く前はそう思っていた。

でも、それは間違いだった。 プランテーションベイは、フィリピン人の手にこだわって造られた、純フィリピン製のリゾートだった。 この個性的なリゾートがフィリピンにあるのは、偶然なんかじゃない。

フィリピン人にだからこそ、こんなリゾートが創れたのだ

――今はそう思っている。

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