Palau  パラオ

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2004年1月19日の日記より

パラオ旅行手配メモ3 ヤップ対策

一足先にパラオへ行ってらした ヨッシーさんから恐ろしい話を聞いた。

コンチネンタルミクロネシア航空のグアム発パラオ行き(CO953便)およびパラオ発グアム行き(CO954便)は 曜日によって、途中ヤップ島に立ち寄ることがある。 かく言う我が家も復路でその便に当たるのだが、ヨッシーさんも往路で当たった。 ところがその際、セキュリティー上の関係で、飛行機の左側座席(AからC)に座っていた乗客が全員、 手荷物持参で飛行機から下ろされたのですと。 うたた寝していようがなんだろうがお構いなし。 それだけでも不愉快な話だが、 飛行機から降ろされ連行された先がなんと、 「待合室」とは名ばかりの、牢獄ライクな場所だったのですと!

いやはや、写真を見せていただいて驚いた。 誇張でもなんでもない。 本当に、「これを牢屋と呼ばずしてなんと呼ぶのか?!」というようなありさまなのである。 薄暗く殺風景な壁、天井近くの欄間には金網が張られ、入口には鉄格子。 しかも、飛行機を下ろされた乗客がその「待合室」とやらに全員入ったのを見届けると、 入口の鉄格子にはカギがかけられたのだそうな。 ちなみに、「待合室」内にトイレはなし、 カギがかけられるということは、万一火災が発生しても逃げられないということだ。 まさに「幽閉」という言葉がぴったりくる体験ではないか。

R&C toursのパラオ現地情報によれば、

ヤップ空港において飛行機が到着しますと、セキュリティー上、座席の左右どちらかの人だけが、 一旦航空機から降ろされます。 待機中に航空機へ空港保安職員が乗り込み、座席の下などをチェックします。 飛行機から降ろされるお客様は、一旦ターミナル内の待合室に入って頂きますが、 降雨時において飛行機からターミナルまでの間で、傘が用意されていない、 或いはターミナル内待合室が不備な為に雨漏りが発生している、など問題点があります。

なのだそうだが、その「問題点」を解決するすべは書かれていない。 「とにかく覚悟しておけよ」という旅行会社の親心と受け取っておこう。

この検索をかけるにあたってわたしが一番知りたかったのは、この牢獄幽閉を 経験者の方々がどう受け止めたかである。 「人権蹂躙だあ〜っ!」と憤慨したか、 それとも「いや、セキュリティのためならいたしかたない。お役目ご苦労さんです」と思ったか。 ところが案外、この経験をされた方は少ないようなのですな。 この不可解な"儀式"はごく最近始まったものなのかもしれない。 また、数少ない体験談を見ると、みなさんこの「幽閉」を神妙に受け入れたご様子。 「人権蹂躙だあ〜っ!」と騒いで暴れた人は一人もおいでにならないらしい。

日本人はおとなしくしているとしても、アメリカ人は黙っちゃいないだろうと思い、 英語でも検索をかけてみた。 「"via Yap" prison」 とか、 「Yap Palau prisoner」 とか、 「Yap Palau passenger confined」 とか。 ‥が、かなりいろいろやってみたにもかかわらず、何も見つからず。 でもたぶん、これはまだまだ検索のかけ方に工夫が足りないんだと思う。

とにかく当面の問題は、この「ムショ送り」をなんとか回避できないか、ということである。 パラオ発グアム行きCO954便がヤップに到着するのはおよそ午前2時半。 そんな丑三つ時に叩き起こされ、そんな牢屋に幽閉されるのはゴメンである。

わたしが身近に知る限りでこの幽閉を経験されたのは、ヨッシーさんと、もうおひとかた。 お二人とも飛行機の座席は左側だったとのことなので、 最初は右側に座席指定をかけることを考えた。 しかし、常に左側の乗客が連行されるとは限らない。 今のところ、分母はたったの2。 回避しようとして左側に座席指定をかけたばっかりに、逆に引き当ててしまっては目もあてられない。 左右に2座席づつとって子どもたちだけでも飛行機に残しておこうか、とか、 悪あがきもいろいろ考えた。 一時はスケジュールの変更まで考えたが、それには変更手数料がかかるし、日程にも無理がでる。 そこで、あれこれ画策するより、運命と思って受け入れるのも人生か、と思ってみたり。 乗客を代表してミクロネシア連邦政府 (後日、この検査を行っているのは、アメリカと判明) に体をはってたてつくほどの勇気はないし、 たまには「人権ってなんだ?」と牢獄で考えるのも悪くないかなあ、なんて。

結局のところ、「こんなヘンな儀式、早く終わってくれないかな」とか、 「なんとか二分の一の確率で飛行機に残るほうを引けないかな」とか、 「飛行機の搭乗率が二分の一以下で、誰も連行されなくて済んだらいいな」 と思うのがせいぜいの、無為無策なわたしなのであった。

◆◆◆

後日、パラオ在住の方にも確かめたところ、 やはりヤップで下ろされるのは左側(ABC)の乗客と判明。 そこで右側(EF)に座席指定をかけることにした。 うまくいったらおなぐさみ〜!

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