マイレージが貯まってタダで航空券が手に入ることになったとき、 次の渡航先として自然に頭に浮かんだのは、ミクロネシアだった。
グアムよりもっと南、オーストラリアよりは北。 ハワイの西、フィリピンの東。 行ったことのある国や地域に囲まれて、わが家の地図はそこだけぽっかり白いまま。 いまいち地理が繋がらない。 それがとっても気になっていた。
地理を繋げることが目的だったから、 最初はグアムを発ってハワイ近くまで、アイランドホッピングすることを考えた。 きりんとうさぎだけだったなら、きっとそうしていた。
でもわが家には子どもたちがいる。
「島を見るためだけに、飛行機に乗る? ありえない!」
そう彼女たちは言うだろう。
そこでアイランドホッピングをひとまず置いて、
いろんな楽しみ方のあるパラオ滞在を考えてみた。
パラオはミクロネシアの島のひとつ。 でもミクロネシア連邦には属していない。 世界初の非核憲法を掲げんがため、他の島々と袂を分かち、 紆余曲折を経て1994年にやっと独立した、世界で4番目に人口の少ない国である。
こういうのも面白いんじゃあないか――うさぎはそう思い始め、改めて地図を見た。 すると、パラオはとってもフィリピンに近かった。 インドネシアにも近い。
地図の上に指を置き、グアムとバリを結んでみた。 その線上に、ちょうどパラオが乗っかった。 なんだ、飛行機で上を飛んだんじゃないか! 急に親近感が湧いた。
今回はパラオにしよう。 それで決まった。