「スーダンで結婚式があるの。一緒に行かない?」 友人のその一言が、スーダン旅行のきっかけでした。
「行くーーーー!! 絶対行くーーーー!」
即決で答えました。 なぜならスーダンはいつか絶対に訪れてみたい国だったからです。
アラビア語を習い始めてから2年、お世話になった先生方にはスーダン人が多く、 故郷の話をいつも聞いていました。 子どもの頃、ナイル川で毎日泳いだ話、 ナイル川クルーズの話、 首都ハルツームは、アラビア語で「象の鼻」という意味だということ。 だからとても憧れていたんです。
でも・・・。
すっかり行く気になったあとで、不安になりました。 治安はどうなの? 衛生状態は? スーダンはアフリカ。暑い砂漠の国。 今世紀最大の人道危機と言われるダルフール紛争や南部との抗争を抱えている。 もしかしたらマラリアなど、伝染病が流行しているかもしれない。 ビザがきわめて取りにくいので、ネットにもスーダン旅行記あるいは滞在記はほとんどない。 そんな国へ行って、生きて帰ってこられるの?と。
でもスーダン人の先生方はケラケラ笑いました。 「あら、ハルツームはアフリカ一、治安のいい町なのよー」と。
調べてみたら、ハルツームは、マラリアの発生区域からもエボラ出血熱からも外れている。 出発直前になって「昨日スーダンから帰ってきた」という方に偶然出会い、 現地ののどかな様子をうかがうこともできました。
そして、行ってみたら本当に、ハルツームは、 水道の蛇口から出てくる生水が普通に飲める、 素朴で人懐こい人々の住む町でした。