Singapore  セントーサ島と動物園

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【 全日空ポケモンジェット 】

ポケモンジェット

搭乗口でポケモンジェットの写真を撮っていると、外人さんが話しかけてきた。 自分のバックにポケモンジェットを入れて、写真を撮ってほしいのですと。
カメラを受け取り、ファインダーを覗くと、彼の姿はカンペキ影になっていた。
「外が明るすぎるから、このままだとあなた真っ黒に写っちゃいますよ」と告げ、 強制フラッシュのたき方を教えてもらおうとしたのだけれど、 「いいから、いいから」と手を振るので、そのままシャッターを押した。 国に帰って、子どもに自慢するのかな。「ポケモンジェットに乗ったんだぞー」って。 でもたぶん、あなたはシルエットになっちゃってるわよ。それでも、うさぎを恨まないでね。

お子様連れの優先搭乗を行使して、誰もいない機内へ。
外見はポケモンジェットでも、 中はどうせ普通と変わらないんだろうとタカをくくっていたら、 ピカチュー模様の黄色いカーテンの脇で、 ピチューのぬいぐるみを抱っこしたスチュワーデスさんが迎えてくれた。 頭当ての不織布もポケモン模様だし、中までしっかりポケモンジェット♪

◆◆◆

離陸後、安定飛行に入ると、うさぎはまた「とほほのJava Script」を読み始めた。

しばらくすると、機内食が配膳され始めた。
「チキンとビーフ、どちらがいいですか?」 チャアの分についてそう尋ねられ、ハッとするうさぎ。

チャイルドミールは?
もしかしたらリクエストを上げ忘れた?!

「チャイルドミールのリクエストは上ってなかったでしょうか」 とスチュワーデスさんに尋ねると、 「リクエストのあった分はすでにお配りしました」とのこと。

あああ、なんたること!
チャイルドミールのリクエストを忘れるなんて!

うさぎとしたことが、今回はウェブのことで頭がいっぱいで、 旅行の準備に気持ちが行き届かなかったのだ。そのおかげでこの始末‥。

ダメモトで「すみません、もしチャイルドミールに余分がありましたら、いただけませんか」 とお願いすると、「余分はありません!」とピシャリと言われてしまった。 その強い口調にビクッっとして、 「あっ、それならいいんです。ちょっと聞いてみただけです。スイマセン」と謝るうさぎ。

けれど、そこにいたもう一人のスチュワーデスさんが余分を探しにいき、 見つけてきてくれた。 それを手渡しながら、さっきの強気のスチュワーデスさんが、釘を差すように言った。
「今回はたまたま余分があったのです。 次回からはちゃんとリクエストを事前に上げなければ、ないと思ってください」

ハイハイ、分かりましたです。しっかり肝に銘じましたです。 次回からはこの失敗を繰り返すまじ。 まあ、なんであれ、今回は結果オーライということで‥。

だけど、こうしてやっと手に入れたチャイルドミールを、チャアは全然食べてくれなかった。 ガッカリガッカリガッカリ〜。

勉強に集中していると、時間が経つのが速い速い。 ふと気付けば、もう航行時間は半分過ぎていた。 集中して勉強した甲斐があり、スクリプトがちょっと使えるようになって、 一本ソースを書き上げた。
そこに、ゲームボーイに飽きた子どもたちが「ママ、トランプやろう」。
このトランプはさっきスチュワーデスさんがくれたものだ。 ポケモンジジェットだから、ポケモングッズが配られるかと思いきや、 普通のトランプだったけれど、ANAのロゴが入っているのが嬉しい。

一通り勉強も終わったことだし、と子どもたちのトランプに付き合う。 耳にはヘッドホンをかけ、最初は音楽、 そのうち、「ANA特製スマップ番組」とやらが始まったので、それを聞いていた。
ところがこれが可笑しい!

「あ、飛行機だ! どこへ行くんだろ?」と無邪気な慎吾。
「‥空港だろ?」ボソっと拓也。
ここで突然芸能レポーター調のアナウンスが入る。
「飛行機でのお出かけは、エー・エヌ・エー(ANA)で」

こういうろくでもないギャグの連発に、なぜかものすごくウケてしまい、 トランプをやりながら、ついニヤニヤしたり、爆笑したり。 そんなうさぎに、チャアが言った。
「ママ、それやめて。ブキミだから」
「何言ってんのよ。アンタたちも聞いてごらんなさいよ。絶対面白いから〜!」 とうさぎ。
さっそくヘッドホンをかけてみる二人。やっぱり笑っている。

そうこうするうちに、夜食のマドレーヌが出て、飛行機は着陸態勢に入った。 えっ、もうシンガポールに着くの?
‥なんて充実した6時間だったんだろう。いつもは時計ばっかり見ているのに。

しかも、お楽しみはまだあった。
着陸まであと数分という時になると、 大きなスクリーンには、闇にライトが光る滑走路が映し出された。 イメージ映像かと思ったら、そうではないらしい。 コックピットから今実際に見える風景が映し出されているのだ。
滑走路がどんどん近くなり、誘導ランプが左右に割れたかと思ったら、 ドスンと鈍い音がして、窓の外にも誘導ランプが規則正しく並びはじめた。 その臨場感! まるで飛行機と一体になったみたい!

この最後のパフォーマンス(それにスマップの番組?)で、 うさぎはすっかりANAのファンになってしまった。 本当はシンガポール航空に乗ってもみたかったのだけれど、今回はANAで大正解!

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