せっかくバンヤンツリーまで来たのだからと、「アラマンダまで車で送る」という中国人の申し出を断り、 しばしバンヤンツリーを散策することにした。
バンヤンツリーのロビーは大きなオープンエアの建物で、その真ん中に十字型の大きな池がある。
その池で分けられた四隅にはそれぞれラウンジやレストランが配してあり、その奥はプールだった。
プールのさらに奥には、先っちょがツンととがった朱色の三角屋根が整然と並んでいた。コテージである。
バンヤンツリーの客室は全て、敷地が50坪以上もある一戸建てのコテージなのだ。
どこまで続くとも知れぬコテージ群と椰子の林は、ゆったりとした空間ばかりか、
ゆったりとした時間までも感じさせた。閑静で落ち着いた雰囲気には、浮ついたところがまるでない。
コテージへと続く道に佇んでいると、うさぎは妙に自分がお子ちゃまのような気がしてきた。
うさぎたちにはまだまだこんなホテルは似合わない。もっと大人にならなくちゃ。