【 キッズクラブⅠ 】
今朝の食事はルームサービスの「朝食セット」を利用した。 電話で注文すると、リンゴ・緑色のミカン・モンキーバナナ・ それに数種類のパンと卵が無造作に入った紙の箱が持ってこられた。 味はごくごく普通。でも、辛くも酸っぱくもない、その「ごく普通」が嬉しかった。
今日はかねてより計画していたキッズクラブに子供たちを入れる。
初めての経験なので、午前中だけのコースにし、今朝電話で予約を入れた。
「キッズクラブって、プールに入るかなあ」とネネ。
「水着持参って言ってたから、入るかもね」とうさぎ。
キッズクラブは、道をはさんでラグーンとは反対側の棟の裏手、バンヤンツリーゴルフコースの脇の、 素朴な小屋の中だった。 壁に楽しげに絵が描かれ、棚にはおもちゃが並んでいる様が「保育園」のよう。
子供たちの世話をしてくれるのは金髪のお姉さんと、アジア人のおばさんであった。 言葉の問題もあるから、金髪のお姉さんが欧米人担当、おばさんが東洋人の子供を担当するのだろうか。
他に、２歳と６歳の金髪の男の子が父親に連れられて来ていた。 だが２歳の子はこの場所に慣れない様子で、父親は上の子だけをここに残し、下の子は連れ帰った。 きりんとうさぎも、食べ物の好ききらい、水泳の熟練度、言葉、日本での住所などを調書に記入し、 子供たちを置いて小屋を出た。 部屋を出る時振り返り、わが子が追いすがるような目をしてはいまいかと確かめると、なんのことはない、 ネネとチャアは早くも塗り絵に夢中になり、こっちを見てすらいなかった――。