翌日からまたいつもの生活が始まった。プーケットに行っていた6日間は‥何て言ったら良いのだろう? まるで切り取られた時間のようだった。白昼夢のような、幻のような。
旅行中にはいろいろと不手際があった。
ケチをしすぎて恥ずかしい思いをしたり、子供たちに食事をさせそびれたり‥。
やり残したこともたくさんある。結局タイビレッジにもプーケット最大の寺院ワットチャロンにも行かれなかった。
撮りそびれた写真、買いのがしたおみやげ、食べそびれた食事を挙げ始めたらキリがない。
だがそれでも、この六日間は、夢のようだった。
本当に、こんなに美しい景色の中にいたのだろうか。
アルバムを見ても、ビデオを見ても、なんだか信じられない。
プーケットがあまりに楽しかったので、これ以来、うさぎたちは頻繁に海外に出かけるようになった。
一回こっきりのご褒美だったはずの海外旅行は、わが家の年中行事となった。
「今回はどこへ行こうか、何をしようか」と新しい旅行の計画を立てる際、
ベースとなるのはプーケットで過ごしたあの数日間である。
何度旅行に行こうとも、ラグナエリアで過ごした数日間の思い出は、薄れようもない。
様々な国でその時々に印象や思い出を拾い集めながらも、やはり心の一番奥底では、 プーケットのイメージが燦然と光り輝いているのである。