飛行機は無事チュニス・カルタゴ国際空港に到着。 空港内はエアコンが効いていましたが、建物を出た途端、強い日差しにめまいがしました。 眼光鋭いアラブの男たちが送迎はいらないか、と声をかけてきます。
バンの運転手が英語で80TNDとふっかけてきました。 聞こえなかったフリ。
じゃあ50TNDでどうだ、と言ってきました。 これも無視。 値段以前に、その車、タクシーじゃないでしょ。 白タクがこの国で違法かどうかは知らないけど、そんな車に乗るなんて、まっぴらごめん。
タクシーが並んでいるところへ行き、最初のタクシーにまずは英語で声をかけると、 突然、ドライバーがタクシーから降り、どこかへ行ってしまいました。 何事かと思ったら、英語の堪能な男を連れてきたらしく、その通訳男がきりんと交渉を始めました。
そして、うさぎが口をはさむ間もなく、きりんは30TNDで手を打ってしまった。 ええっ?! そんな値段でいいの? 空港の外に出て流しのタクシーを捕まえれば、10TNDくらいらしいよ、と言ってみたけれど、 「もうこれでいいよ」と疲れた表情。 長旅で疲れたところにこの日差しが相当堪えたらしい。
あとあと知ったことですが、どうやら英語で交渉するのはソンのようです。 この国では、アラビア語やフランス語なら誰でも話せるけれど、英語は特殊技能ってことで、追加チャージつき。 おそらく30TNDには、通訳係への駄賃も含まれていたに違いない。
また、タクシーに乗り込んだら自動的にホテルに着く、というものでもないみたい。 運転手が道を知らなかったのです。 シディブ・サイドにつくまではよかったけれど、そこから先が分からないらしい。
何度も道行く人を呼びとめ、道を尋ねる。 この感じ、どっかで見たような・・・? ・・・ああそうだ。 蘇州へ行ったときのタクシーがやはりこんな感じでした。
細い路地をあっちへこっちへ右往左往した挙句、ようやくホテルへ到着。 蘇州のときに比べたら、これでもまだ迷わなかったほうかな?
チュニジア滞在中、タクシーにはよくお世話になりましたが、道を知らないタクシーが多いのには閉口。 なにしろ「カルタゴ博物館」を知らない。 「右折か直進か」と、交差点に出くわすたびにこっちに聞いてくる。
こっちは初めて訪れた国で、地球の歩き方の小さな地図に目を凝らし、 忘れかけたフランス語でタクシーに道を教えるハメになった。
それでもまだ運転手と意志の疎通が図れただけマシだったと思う。 たいていのタクシードライバーは英語が全く話せない。 もしこっちがフランス語もアラビア語も知らなかったら、一体どうなってたんだろう?と思います。