ホテルに落ち着いたら、電話をかけることになっていました。
相手は、うさぎのアラビア語の先生の妹さん。 先生の家はシディブ・サイドにあり、チュニジア滞在中に遊びに行く約束をしていたのです。 その後急な話で、先生はチュニジアを留守にすることになりましたが、 「もう家族には話してあるし、みんな楽しみにしているから、わたしはいないけど、ぜひ家に来てね」ということで、 妹さんが連絡の窓口になることになっていたのです。 妹さんも英語が話せるから大丈夫とのことでした。
ところが。 実際に電話してみると、何か様子が違う。 こちらが英語で話しているのに、向こうはフランス語。
それも、困惑している様子。 歯切れ悪く、フランス語でモソモソ言っている。 連絡がうまくいっていなくて、見知らぬ東洋人からの突然の電話に驚いているのだろうか?
なんとかそのフランス語を理解しようと試みても見たけれど、さっぱり分からない。 向こうも困惑を深めるばかり。 結局、話が全くかみ合わないまま、電話を切りました。
ショック、ショック、ショック・・・。 歓迎してくれていると思っていた妹さんが気のない様子だったショックに加え、 少しは勉強したはずのフランス語が全く分からなかったショックも手伝い、泣きたい気分。
◆◆◆
翌日、先生とスカイプで話したおり、 「妹さんに電話したんだけれど、とうまく話し合えなかったの」と言いました。
すると先生、きょとんとした顔で、 「ちょっと待って。 妹の話だと、まだ電話がかかってきてないそうだけど」
「えっっ!!」
先生、笑いをかみ殺す。 「もう一度かけてみて。次は番号間違えないようにね」
・・・そういうことか。
その後、恐る恐る、もう一度電話してみると、今度は明るい声で流暢な英語が返ってきました。 2日後の日曜日の晩なら家族が揃うから、その日の日没後、家に来てね、とのことでした。