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せっかくポートダグラスに宿をとったのだからオススメしたいのが
モスマン渓谷やデインツリー(もちろん私たちも行く気満々だったサ)なのだが、
この度は晴れて行き損ねた。
6才になったばかりの年長サンに徒歩中心のツアーはいかがなものかと、
ふと気がついたのである。
途中で歩かなくなる可能性もあるし、他のツアーの人のペースを邪魔したらどうしよう、
とも思った。
オーストラリアへ来る直前まで酷い風邪で寝込んでいた彼である。
熱も下がり咳き込むこともなく、出発前日には医師のGOサインももらっているが、
ただ一点食欲が戻らずずいぶんと体力が落ちているようなのだ。
本物の熱帯雨林、野生の動物、信じられないくらいきれいな川・・・
これらは次回に回すことにした。
100%やりたいことがやれる旅などないさ。何か気持ちを残していくことが、 次回戻ってくるかもしれない同じ場所に時間という道を繋げるのだろう。 だから私には継続中の旅がたくさんある。 ローマ、ヴェネツィア、イギリス、タヒチ、オーストラリア、バリ、シンガポール、 etc・・・このうち幾つもの場所に複数回訪れ、 オーストラリアにも今回物理的に戻ってきたが、 この旅もまた、まだまだ終わることはなさそうだ。
それはさておき、母子一行は「レインフォレスト・ハビタット」へ出かけた。
いわゆる動物園だが、色とりどりの鳥たちと朝食をとることができるので有名。
鳥が苦手な筆者はそれだけは勘弁してもらった。
だが、こちらの動物園は面白いな。限りなく人間と動物が近く存在できる。
できるかぎり境界線をとっぱらった仕組みだ。
プチがなにげに手をかけた木の柵(大人の腰くらいの高さ)。
「うっ」と驚いた様子で振り向くと、彼が手をのせていたのはワニの背だった。
プチ、しばし固まる。もちろん危険なものでなく、小さなワニだ。
係員がたまたまのせていたようで、彼はもっとなでてごらん、と陽気に笑った。
危険はない、が小振りなそのワニの口先はセロテープでぐるぐる巻きにされていた。
ついでにいえば生まれて初めて私筆者もワニを触った。
「ママ、ワニ触ったの初めて〜〜!!」
プチは言った。「ぼく、動物園来たの初めて〜!!!」
ええ〜!そうだったのか〜!!
動物園は育児の基本、なのに省略していたことに気が付いた。
母子二人が珍しいのか、
こちらがちょいと英語が解せることがわかるとロコやスタッフがやってきて
日本やオーストラリア、いろんな話をした。
「タウンズビルって知ってるか? そりゃあもう田舎よ、田舎。
そこまでいく道なんかよ、人間なんかいないしよお、
運悪く車がエンコしちまったら、最悪、電話もねえ、
おみゃあ、サルが助けてくれるわきゃあねえしなあ、モボイル?
なんだっちゅうの、デンパなんてあるわきゃねえだろうよ、
おみゃあ、そりゃあもう〜田舎だわ、でかいわ、なんもねえわ・・・・」
(という風に聞こえるのは単なる先入観?!)
電波があるかないかは定かでないが、
オーストラリアの国土がいかようかはよくわかった気がした。
その一方では、 日本語を少々かじったというグレートアドベンチャーのクルーの一人がプチに向かって 「オヤユビ、ナカユビ、コエビ(?)」と手を見せた。 親指、中指、小指はプチもわかる。 だが、あと2本ははっきりとは知らないかもしれない。 プチとそのクルーはようやく「クスリユビ」をひねり出したが、 あと一指の呼び名が出てこない。 「(人差し指)わかんないの?」とプチに聞くと、 彼はニッポンジンの誇りにかけて思い出せねばと苦しんだあげく、言った。
「サシ・・・ユビ・・・、ええと・・・オヒサシブリ!」
「イエ〜ス!!イエ〜ス!!」
・・・ちゃうって・・・。