Essay  きりんの旅ヒント

【 目から鱗 】

他の人には、どおって事ないかもしれないけど、とてもビックリした事があります。

それは、ドイツに行った時、 フランスのドゴール空港で小型飛行機に乗り換えてミュンヘンへ向かう機内での事です。
フランスからドイツなのでたいした飛行時間ではなかったので、 機内食も1回のみでバンケットのハムサンド+αというとても軽い食事でした。
まあ、食事自体は特に変わったものではなく、とてもおいしくいただけました。

その、ハムサンドを頬張りながらふと見ると、 食事を終えた外人さんが、何やらスチュワーデスと話しをしていました。
結構大きな声で話していたのでふとそちらに目がいったのですが、 その時は別に気にも留めませんでした。
しばらくするとスチュワーデスさんがバスケットにハムサンドを2つのせて戻ってきました。
そして、外人さんは、それを2つとも手に取るとおいしそうに食べてるではありませんか?
「あれ、さっき食事は終わってたと思ったんだけど」
何がどうなってるんだか分からないまましばらくおいしそうに食べてるその姿を見ていると ふと分かったのです。
「そうか、さっきのはサンドイッチのオカワリを要求してたのか」
そんな簡単な事に気づくのにどれだけ掛かった事か。
まさか、機内食のオカワリができるなんて、これっぽっちも思っていなかった。
しかも、2つも^^。
実はもっと食べたいと思っていたが、まさかそんな事ができるなんて思いもしないので、 あきらめてました。
さらに目の前でオカワリを要求して出てきたサンドイッチを食べてる人がいても、 実感としてその時は認識できませんでした。
もっと食べたかったのに、自分も頼もうって思えなかったから。

しかし、時間が経つに連れてだんだん悔しくなってきました。
「ああ、オカワリしてもっと食べておけばよかった。 結構おいしかったし、お腹も空いていたのに。」って。
やっと自分の常識外の事が常識として認識されてきました。
そう、自分の世界が少し広がったって事かな。

自分の想像を絶するものってまったく気づかないし、目の前で起こっても信じられないし、 認識できないもんだな。
まだまだつまらん事で世界が広がってる成長期にいるきりんでした。

2002年10月12日 きりん

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