好き嫌いは末代まで
これまで夫が嫌いなものはテーブルに並べないようにしてきました。 せっかく作ったものを「嫌いだ」と言われるのはイヤだし、 食べてくれないと栄養のバランスが偏るからです。
でもうちの亭主は好き嫌いが多い。 豆類・キノコ・山菜・海草は嫌い、ネバネバもダメ、 酢の物・ゴマ合え・ハーブ・酒漬けも嫌い。 この嗜好に従うと、料理の幅が極端に狭まってしまいます。
これではつまらない。 そこで最近、思い切って 「亭主の好きな赤烏帽子」 をやめました。 亭主が嫌いなものも堂々とテーブルに。 ネガティブな感想には耳を塞ぎ、その代わり品数を増やして選択の余地を作りました。
するとどうでしょう。 夫の嗜好をそのまま受け継いでいた次女が、 「これっておいしいんだね!」と言って、何でも喜んで食べるようになったのです!
好き嫌いって習慣によって作られるものだったのですね。 そういえば夫の母も好き嫌いの多い人。 夫はおそらく子供のころ山菜やキノコ、豆を食べずに育ってきた。 だからそのおいしさに気づかないできたのでしょう。
好き嫌いは末代まで祟る。 夫の嗜好にあわせることで、この因縁に危うく次女まで巻き込んでしまうところでした。
最近、夫もたまに、嫌いなはずのものに箸を伸ばすようになりました。 好き嫌いの大半は「食わず嫌い」。 いくつになっても嗜好の幅は広げられるのですね。
初稿:2007年5月10日