「タダ」は安いか高いか

コーヒーメーカー

先日、実家からコーヒーメーカーが届きました。 おかげでおいしいコーヒーが飲めるようになりました。 また、透明ポットがついているのが嬉しい。 茶葉のジャンピングが見えるこんなポットがちょうど欲しかったのです。

なんてタイムリー!と気分は上々。 とはいえ、いまどきガラスポットなんてそう高いものではないし、 その程度の出費を免れたことがなぜこんなに嬉しいのかしら? と不思議がっていたら、娘が言いました。

「そりゃタダのものにはオマケがついているからでしょ」と。 「金額によらず、お店で買うのは普通だけど、 "タダ"というのは、何かで当てたとか、誰かに貰ったとか、 或いは拾ったとか、一風変わった経緯で手に入れたあかし。 その分エピソードや思い出がオマケについてくる。 だから嬉しいんでしょ」

なるほど、 そういえばこのコーヒーメーカーも、 かつて夫がボーリング大会で勝ち取ってきた賞品です。 ずっと実家で使っていましたが、 もう使わないというので、引き取ることにしたのです。

出費を免れ、更に思い出までついてくる。 不用品が減って親には感謝される。 「タダほど安いものはない」とはこのことです。

尤も「タダほど高いものはない」とも言いますね。 誰かに依存した「タダ」は見返りが要求されがちで、結局高くつくことも。 本当に安い「タダ」は、誰もソンをしない。 タダが安くつくか高くつくかの分岐点は、そこにあるような気がします。

初稿:2007年11月1日

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