2003年6月19日 アクセスカウンター考 (その1)

ウェブサイトを公開していると、 "アクセス数"(訪問者数)というものが非常に気になります。 そもそもサイトを「公開する」というのは、 「不特定の人に見てもらう」という意味なのだから、まあ、たくさんの人に見てもらえると 嬉しいのは当たり前です。 誰にも見てもらえないとしたら、 それははたして"公開してる"といえるかどうかすら分かりませんしね。

けれど、「カウンターのまわりが早いと嬉しい」という感情の中には、 単に「たくさんの人に見てもらえて嬉しい」というのとは また違った意味が含まれているような気がします。
もっとも、最初からそうだったわけではないんですよ。 2年前旅行サイトを公開し始めた頃には、確かにこれらはイコールで結ばれていたのです。
「カウンターの数字が、さっきよりも2増えてる! 誰かが見てくれたんだ! 誰が見てくれたんだろう?! 嬉しいなあ♪」 2年前は確かに、そういう無邪気な気持ちでカウンターの数字を見ていました。

ところが、そのうちに、「カウンターの数字 = アクセス数」ではないことに気付きました。 一口にカウンターといっても、いろいろな数え方をするカウンターがあると気付いたのです。 トップページに戻るたびに、どんどん上がっていくカウンターもあれば、 上がらないカウンターもある。 リロードする度に上がるカウンターもあれば、上がらないように設定されているカウンターもある。 さらには、同じカウンターでも、サイトを置いてあるサーバーや、 閲覧する人の通信サーバーによって、動作が違ってくることも分かりました。 その理屈は、更新要求をかけるタイミングがプロキシサーバーによって異なるせいなのかな、 と推察する程度で、それ以上の難しい理屈はよく分かりませんが、とにかく、 おなじカウンターですら、環境によって動作が違うことがあると分かったのです。
同一ページに複数のカウンタを貼ってみたこともありますが、 その進み具合が倍以上も違う時期すらありました。

またそのうちに、「アクセス解析」というものを知りました。
一口にアクセス解析といっても、これまた種類があるのですが、 数え方が曖昧なカウンターに比べて、概して数え方がはっきり定義されており、 アクセス数の実態がはっきりとわかります。 アクセス解析をつけさえすれば、カウンターをつける必要はないのです。

けれどわたしは、アクセス解析をつけている今でも、カウンターをつけています。 そしてそれが、 「自分にとってカウンターの意味がずれてきているのではないか」 と考える所以なのです。

ではなぜ、カウンターをつけるのでしょうか。
アクセス解析を見れば、もっと正確な状況が把握できるのに。

自分のこころの中をよ〜く覗いてみると。
カウンターをつけている目的は、"自分が見るため"ではなく"人に見せるため" であるような気がしてなりません。

そして、ではなぜ人に見せたいのか――というと、たぶんそれは

"流行っている感じを演出したい"

からではないかと思います。
閲覧者にとって、誰も見ないようなサイトよりも、 たくさんの人が見ているサイトの方が、なんとなく安心なんじゃないか。
たとえば、何週間も書き込みがない掲示板よりも、 毎日たくさんの書き込みがある掲示板の方が、書き込みやすいのと同じように。
――そんな気がして、
「ホラ、うちはそこそこ流行ってますよ〜。安心して見ていってくださいね!」 とアピールするわけです。

実際、わたしはよそのサイトを初めて見に行くと、必ずカウンターの数字をチェックします。 カウンターの数字によってある程度、サイトの出来栄えを判断するのです。 あまりにもカウンターの数字が少ないと、 「まだ出来たてで、目次の見出しをクリックしても工事中ばかりなんじゃないか」と思って あまり期待をかけませんし、 カウンターの数字が何10万にもなっていれば、一見面白くなさそうなサイトでも、 「きっと良いところがあるに違いない」と思って、Uターンを思いとどまり、 ちょっと念入りに散策してみようかな、という気になります。
つまり、カウンターの数字を、ある程度の期待値を測るのに役立ててるわけです。 人から勧められた本は、出だしが面白くなくても、ちょっとガマンして、 もうすこし読み進めてみる――というのと同じ理屈ですね。

まあ、先入観にあまり振り回されるのも考えモノですが、時間が無尽蔵にあるわけでなし、 見に行ったサイトの全てのページをチェックするほどヒマでもないので、 検索時の時間短縮に役立てています。 そして、自分がそういう行動をするから、自分のサイトにもカウンターを貼るのです。 「それなりのアクセス数を稼いでいるサイトですよ」ということを示すために。
尤も「いつも‥」の方は、まだ人に誇れるような数値でもないので、 マイナスにはなってもプラスにはなりそうもありませんが、将来のためということで^^;。

それに、実を言うと「いつも‥」のカウンターは、 当初、カウンター数字の「大きさ」ではなく、逆に「小ささ」を見せたくてつけました。
わざと宣伝をせずに旅行サイトの下の方にバナーだけ貼り、 誰か気付くかなあ、とドキドキ気分で待っていました。 自分自身でカウンターを回さないよう、 トップページにアクセスするのを避けました。 更新のためにやむを得ずアクセスしたときには、 カウンターの数字をわざわざ1減らしたりして。 バナーに気付いて見てくださった方に、 一桁、二桁のカウンターという珍しいものを見せてあげたくて、 そしてわたし自身、この生まれたてのサイトの無垢さがいとおしくて、 けっこうこれでも気を遣ったんですよ。 尤も、下の方に小さく一桁二桁の数字がぽろりと転がっていたのに気付いた人なんて、 わたしの他には誰もいなかったかもしれませんけれどね^^;。

これも、5月にカウンターの数値が4ケタになったのを機会に、表示方法を変えました。 4ケタというのは少なくもなく多くもなく、 カウンターの数値としてはおそらく最も平凡なので、すこしは目立つように、 日ごとのアクセス数も一緒に表示することにしたのです。 一日に100程度のアクセス数というのは、 駆け出しのサイトにしてはけっこう上出来だと思うので、 むしろ来訪者にアピールしたいのは、総数よりも、日ごとの方ですね。

ところで、わたし自身はこのように、カウンターの数字にけっこうこだわっているのですが、 みなさんはいかがでしょうか。 サイト閲覧時、カウンターの数値を、わたしのように何かの参考として見るでしょうか。 それとも、全く気にしないでしょうか。

カウンターの数字を気にするのは、ウェブマスターだけで、
一般の閲覧者は、カウンターなど見ない。

とどこかで読んだこともありますが、実際はいかがでしょうか。
後日アンケートを設置しますので、ご協力いただけると助かります。