2004年3月26日 バリ旅行記(その29) エピローグ

みなさん、長らくバリ旅行記にお付き合いいただきまして、 ありがとうございました。 明日からの香港旅行を前に、今回もなんとかギリギリ宿題を終えることができました。 いつも旅行の前日に一つ前の旅行記を書き上げるうさぎって一体‥(汗)。 でもまあ、何はともあれ、書きあがって本当によかった。

今回のバリ旅行記も、なかなか筆が進まず大変でしたが、 図らずも、旅行記を書くことの意義がまたひとつ分かりました。 バリで学んだことが、旅行記を書いているうちに、 よりはっきりと見えてきたような気がするのです。 混沌とした想い、整理のつかない理屈を言葉にするのは大変な作業ですが、 やはりそれなりの収穫はありますね。
尤も、

今自分の目の前にあることを、一生懸命やろう

バリで学んできたこの真理を実践することがいかに難しいか、 それはこのバリ旅行記の難航が物語っていますね^^;。

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【 バリ旅行記29 エピローグ 】

きのうの続き

バリについて最初の印象は、その文化の濃さであった。 とにかく、どっちを向いてもバリ〜〜!!、という状態にまず驚いた。

今まで、海外でそんな状態に置かれたことはなかった。 「その国らしさ」というのは、どことなしに感じられたり、要所要所にはあったとしても、 世界中を席巻する均一な西洋文化、近代文化の中に見え隠れする程度で、 わざわざ探して見つけない限り、 そうゴロゴロとその辺に転がっているものではなかった。

ところがバリのウブドでは、右を向いても左を向いてもバリ、 どっちを向いてもバリで、バリらしさを探す必要なんて全然なかった。 チャナンの見つからない通りはない。石像を置いていない家はない。 西洋文化に一歩も譲らない確たるスタイルが、 どっちを向いてもどっしりと根付いていた。

こんなにも違う文化が今なお矛盾なく機能しているなんて‥!

なんだかんだいっても結局、 近代的な西洋文化に勝てる文化はないと、これまで思い込んでいたらしい。 そんな勝手な思い込みを、 バリは「へえ、そんなもんですかね」とでも言うように、 平気な顔して鮮やかに覆してみせてくれた。

しかもその文化は、実に馴染みやすく懐かしく、ゆったりと落ち着ける文化だった。 くっきりと鮮烈なカルチャーショックではなく、 穏やかに、ゆっくりと、けれども心の奥深くまでじわじわとしみこんで 自分の何かが少しずつ変わっていくような、そんな感じがあった。 尤もそれを「バリの文化」と呼んでいいのかどうかは分からない。 もしかしたら「アラムジワの文化」と呼ぶべきものだったのかもしれないけれど。

とにかくうさぎは、バリで絵を描いたことによって、 自分の中の何かがはっきりと変わったと自覚している。 大事なことが一つ、はっきりと分かったのだ。

いま目の前にあることを一生懸命やることが、結局は一番豊かなことなのだ。

と。

おわり