ノリタケのディナー皿とスープカップ
ノリタケのディナー皿とスープカップ&ソーサー。

この食器は、うさぎが生まれて初めて自分のために買った食器です。 16年前、結婚を機に購入しました。

そのとき買った食器は、2人分のお茶碗とお椀、それにこのディナー皿とスープ皿を6人分。 あとは頂きものと、双方の実家の物置を引っ掻き回して必要なものを揃えました。 本当に気に入った食器は何年も何十年もかけてちょっとづつ揃えていけばいいや、って思ったの。 だから食器棚の中は、寄せ集めでバラバラ。 中には、ウメボシの入っていた鉢とか、裏に米屋の電話番号が入ったお皿なんかもあったりして^^;。 そんな中、このセットだけは貴婦人のように優雅で、いつも食器棚の真ん中の特等席にすまし顔で鎮座ましまし、 燦然たる輝きを放っておりました。

この洋食器は、うさぎのお気に入りであるだけでなく、理想であり目標でもありました。 いつかこの食器が似合うような瀟洒な家に住みたい! オシャレな暮らしがしたい! 金色の縁取りのある白いボーンチャイナが似合う、優雅な物腰の女になりたい!

‥その目標は16年経った今でも、一向に達成される様子はありませんが^^;。

スープ皿近影

でもこの食器を出して食事をするときくらい、 お皿に対して恥ずかしくない自分であろうじゃないか、と張り切る自分がいます。

このお皿に散らかった部屋は似合わない。 だらしのない女は似合わない。 ――だから、テーブルにクロスを敷いてその辺を片付け、鏡を覗いて髪を梳かす。 このお皿を使うときは、ハレの日気分で食卓に臨みます。

使ったあとはすぐに洗って拭いて棚に収めます。 決して割ったりしないように。 この食器のことを考えると、地震が本当に怖い。 もし割れてしまったらどうしよう、と地震の心配ばかりしています。

本当は、そんな心配をしなくて済むように、バラでも買えるものをと思って選んだのですけれどね。 その上、この柄のシリーズがなくなってしまっても、せめて型だけでも揃えられるようにと、 日本で一番メジャーな食器メーカー・ノリタケの、 一番スタンダードな型のシリーズを選んだのですけれどね。 当時は同じ型で柄だけ違うシリーズが、他に3シリーズくらい出ていました。 でも今はわずかに一種類。 もしかしたらいずれなくなってしまうかもしれません。 ああ、祇園精舎の鐘の音‥。

selinaシリーズのカタログ
当時のカタログ。

それはともかく。 このシリーズは他にコーヒー茶碗やらティーカップやら、ミート皿やらデザート皿やら、 シュガーポットやらクリーマーやら、全部で24種類のアイテムが揃っていました。 平らなお皿類だけで9種類、スープ皿が3種類、持ち手のついたカップ類が5種類もある充実ぶりでした。

でもそんな大セットのアイテムをいちいち揃えていたら、それだけで食器棚がいっぱいになっちゃう! それでうさぎはそのたくさんの中から2種類だけ揃えることに決め、どれを選ぶかについても全然迷いませんでした。 だってお皿は大きいほうがいいに決まってる。大は小を兼ねるから。 それで一番大きな直径27センチのディナー皿に、まず決定。 次いで、クリームスープ皿に決定。 だって持ち手が両側についていて、見た目が一番華やかだったんですもの。

ケーキ皿とコーヒーカップ
実家から掘り出したケーキ皿と、頂き物のコーヒーカップ。

スープとメインディッシュさえあれば、「フルコース」とまでは言わないけれど、 まず「ランチセット」くらいにはなるじゃない? これに、実家の物置から掘り出した、 なんとなく形や雰囲気が似たケーキ皿をパン皿として使えば、 ちょっといいレストランみたいかも?? 更にそこに、頂きものの金色のふちのコーヒーカップを使えば、もうカンペキ! 簡易ディナーセットのできあがり〜♪

淡いピンクの花柄は主張が控えめで、料理を引きたて、他の食器ともよく馴染みます。 うさぎはこの色柄がとっても気に入っていて、今でも憧れをいだきつつ、よくこの食器を眺めます。 この色柄が気に入ったから買ったのか、 この食器にめぐり合ったから、こういう色柄に開眼したのか。 それは今となってはもう、忘れてしまいました。 でもこの食器をメインに据えた食卓、今でもそれが、16年前と変わらぬ我が家のハレの日の風景です。

ネネの誕生日 クリスマス チャアの誕生日
左から、ネネの誕生日、クリスマス、チャアの誕生日、2004年。

初稿:2005年2月16日

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