ノリタケのディナー皿とスープカップ
ウェッジウッドのピーターラビットシリーズ。

「うさぎちゃんは絶対こういうのが好きだと思って」 職場の先輩がそう言って結婚祝いにくれたのが、この食器との最初の出会いでした。 なんと、わざわざイギリスの製造元から取り寄せてくれたのだそう。 時は1988年、数年前のプラザ合意をきっかけに未曾有の急速な円高が進行してはいましたが、 対ドルレートはまだ120円台。 個人輸入なんて言葉はまだ聞いたこともなかった頃の話です。

先輩が言うとおり、本当に「うさぎちゃんは、こういうのが好き」でした^^;。 職場で群青色の箱のフタを開け、食器を取り出したとたん、 みんなが「‥らしい〜!」と叫んだものです。 以来、ことあるごとにいろんな人からいろんなものをいただき、種類や数が少しづつ増えました。 今やケーキ皿が4枚と、受け皿つきのお茶碗が4客、それにエッグスタンドが2つ、マグカップが1つあります。 その中で自分で買ったのは、先日オークションで落札したお皿一枚。 あとはみんな頂き物です。

七宝のスプーン

うさぎはことほど左様に、分かりやすい趣味をしています。 一緒にショッピングに行くと、 友達に「うさぎちゃん、こういうの好きでしょう?」と尋ねられたりしますが、 ウン、そう訊かれたものはたいてい大好きだったりします^^;。 だから友達からもらったプレゼントはたいてい 「これ欲しかったの〜!」という感じのものばかり。 我が家にあるものをだいたい把握してくれているから、かち合うこともない。 写真のスプーンも、 「カップやお皿はあるのに、それにあわせるティースプーンがなかったなと思って」 と、友達がベビー誕生の内祝いとしてくれたものです。 食器以外にも、ピーターラビットの石鹸セット、ピーターラビットの育児日記など、 ピーターラビットに関しては、いろんな人からいろんなものを頂きました。

ココア

自分の好きなものを誰かが覚えていてくれる、それはとっても嬉しいことです。 最近、足りないお皿を自分で一枚買い足してみて分かりました。 うちのピーターラビットの食器には、モノとしての価値のみならず、 友だちとの思い出や、それをもらったときの嬉しさがいっぱいつまっている。 だから余計、宝物なんだなあ、って。

お金を出しさえすれば、たいていのものは買える。 すでに製造中止になったウェッジウッドのピーターラビットシリーズだって、 ちょっと太っ腹になりさえすれば、オークションで簡単に買えます。 だけど誰かが自分のために選んでくれた食器には、見えないリボンがかかっているような気がする。 お金を出しても、そういうリボンは買えないんだなあ、って。

先日オークションで落札したのも、実は友人との共同購入でした。 セットで買って、友達と分けたの。 だからこのお皿にも見えないリボンがかかってる。 ウェッジウッドのピーターラビットシリーズは、わたしにとって、そういう器なのです。

初稿:2005年2月26日

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