デザート皿
デザート用のガラス器。

このガラスの器も、とってもとっても気に入って選んだものです。 そろそろ10年前のことになるでしょうか。 お値段は、お皿とガラス器が5客づつセットになってたしか3500円くらい。 そんなに高価ではありませんでした。

ただこれには一つだけ、ネックがありました。 ブランド品ではなかったことです。

――なぜブランド品でないといけないのかって?

それは、中古市場が形成されにくいからです。 手放したくなったとき、誰ももらってくれる人がいない。 買い足したくなったとき、どこにも売っていない。 「中古市場不在」というのはそういうことです。 だから中古市場が成立しないものというのは、使い捨てになりやすい。

いちご

前に書きましたが、 「ビタクラフト」というブランド品のフライパンなら、 7年使いこんだものにさえ、お金を払って買ってくれる人がいました。 仮にこれが「ビタクラフト」というブランド名のついていないフライパンだったら、どうだったでしょう。 その姿形がビタクラフトとそっくりだったとしても、 機能的になんら劣るところのないものだったとしても、 タダでだってもらってくれる人がいたかどうか分からない。 理想はどうあれ、現実的にはもらい手がなく、 捨てるしかなかったのではないかと思います。

わたし自身は別段ブランド志向ではありませんが、 ブランド品が持つこうした力、付加価値は認めています。 中古市場が成立するがゆえに、ブランド品は手放すのも買い足すのも容易なので、 こと割れやすい食器に関しては、できればブランド品を買いたいなあと思うのです。

特にこれまでの経験からいって、深い器は割れやすい。 特にガラス器は非常に割れやすい。 美しければ美しいほど、割れやすいのがガラス器です。 だからこそ、新生活を築いてから何年も、ガラスの器は一つも持っていませんでした。 欲しい欲しいと思いつつ、 壊れる可能性を考えると、ずっと買えないでいたのです。

だからデパートでこのデザート用の器にめぐり合ったとき、 最初に気になったのは、「これがブランド品かどうか」でした。 そしてこれは残念ながらブランド品ではありませんでした。 だからすごく迷いました。

ところが、少し頭を冷やそうとその売り場を離れたら、 同じデパートに入っていた専門店ブースで、 同じガラス器に違うお皿がセットされている商品を見つけました。
しかも。 結局その日は買わずに帰ったら、家の近くのリサイクルショップでも、 やっぱりガラス器部分だけ同じものが出ていたのです!

サラダ

それでわたしは決断しました。
「ああこれなら、将来ガラス器が割れてしまっても買い足せるかもしれない!」 そう思って。

ちなみに、お皿のほうが割れる心配は全くしませんでしたね。 だってお皿って、案外割れないんですもの。 カップとソーサーを比べたら、カップのほうがソーサーよりも、少なくとも倍は割れやすい。 コナカで「背広一点にズボン二点付き」というスーツが売られているように、 ティーカップも、ソーサー一つにカップを二つつけて売ってもいいんじゃないかと思うくらいです。

とにかくうさぎはこのガラス食器を購入しました。 このガラス器が、世の中の定番品であることに賭けたのです。

そしてある日、ついに"その時"がやってきました。 1年くらい前のことでしょうか、一月くらいの間に、ちゃあが立て続けに二つ割ってしまったのです。 一つ割れたときには、それほどガッカリはしませんでした。 一つ減っても4人家族に足りるから。 でも二つ目が割れたときには‥。 せっかくお皿洗いのお手伝いをしてくれたちゃあを危うくしかってしまうところでした。

それからというもの、リサイクルショップやフリーマーケットに目を光らせていたのですけれどね、 なかなか見つかりませんでした。 でもがっかりしていたところについ最近、ネットオークションでめでたく見つけたのです!

新旧2種のガラス器 左が今回買ったもの、右は従来のもの。

それは、リサイクルショップが仕入れた未使用品だったようです。 いざ落札して家に届いてみたら、大きさと形はぴったり同じであるものの、 よーく見ると、若干模様が違っていました(新しいほうが緻密^^)。 それに、我が家でずっと使用してきたもののほうが、若干くたびれているような気も‥??

でも食べ物を装ってしまうと、全然違いは分かりません。 ガラス器が3つになってしまってからというもの、この器の出番が減っていたのですが、 これでまた元通り、楽しく使うことができそうです。 8個あるということは、あと4つ余裕があるということで、扱うにも気がラクですね^^。 この先、ますます出番が増えるかもしれません。

バナナカスタード トマトシャーベット ココアのムース
青い皿には、イチゴやトマトの赤さがよく映える。

初稿:2005年3月7日

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