夜、きりんとうさぎは再び街へと繰り出した。
夜のケアンズは昼よりもはるかに人通りが多く、賑わっていた。 一体どこからこんなに湧き出てきたのだろうと思うほど。 たぶん海や山へ行っていた人たちが夜になって帰ってきたのだろうけど、 昼間はとんと見かけなかった日本人や中国人がなぜか20人、30人の群れをなして歩いている。
うさぎたちは明日の朝の食料を調達すべく、スーパーを探し歩いた。 けれど、ウールワースもケアンズセントラル内のスーパーもすでに閉まってしまっていた。 まだ夜の7時なのに。 どうやらここのスーパーは平日でも5時半に閉まるらしく、 今日は日曜日だからさらに早くて、なんと4時閉店だったのだ!
スーパーが駄目となれば、食料はコンビニで調達するしかない。 うさぎたちはケアンズセントラルから引き返し、途中にあったメチャ混みのコンビニで、 シリアルや牛乳などを調達した。 こんなに売れるんだから、他の店ももっと営業時間を長くすればいいのにねえ―― というのは日本人だけの発想だろうか?
更に歩き、「OKギフトショップ」へ。 ありきたりなみやげ物屋なのだが、大橋巨泉がオーナーで、 店員は日本人の若い女性ばかりというので有名な店である。 で、そのボンド・ガールならぬ巨泉ガール (注:ボンドガールのようなセクシー美人だったりはしない) たちがお客の後をついて回り、客が触れる商品、見る商品一つ一つについて、 懇切丁寧な説明をしてくれる。ほっといて欲しいきりんとうさぎは、
「ごめんなさい、ジャスト・ルッキングしてるだけだから、どうぞお構いなく〜」
とハナコさん風のチャンポン言葉で言い訳し、絵はがきを一枚買って店を後にした。