【 雪遊び 】
雪の中でのトレーニングを終え、このままゴンドラに乗って村に帰ろうと思ったら、 子ども達は今度は駅の脇のフカフカな雪の上に寝転んで遊び始めてしまった。 一体どうしてこんな冷たい雪の中でいつまでも遊んでいようという気になるんだか、うさぎには全然分からない。 こっちはもう体の芯から凍りついているというのに、どうしてこの人たちは平気なのだろう？
雪はいまだしんしんと天から降り注いでくる。グレーの空からとめどもなく落ちてくる真っ白な雪。 その雪を手ですくっては指の間から落とし、すくっては落としを繰り返す子供たち。 ホントに子供って、同じことの繰り返しが好きだよねー。フカフカの雪と戯れているだけで楽しいらしい。 かまくらをつくるわけでも雪だるまをつくるわけでもなく、まして雪合戦をするわけでもない。 雪を落としてみたり叩いて固めてみたり、嘗めてみたり、顔を埋めてみたり。 ただ「雪遊び」としか言いようのないバクゼンとした遊び方なのに、いつまで経っても飽きないらしい。
いつもビーチリゾートで一日中水遊びを続ける子供たちだ。 放っておいたら何時間ここで雪遊びを続けるか分かりゃしない。 もっと遊ばせてあげたいけれど、もう帰ろ。氷のオブジェにならないうちに――。