旅行中、日課を作るのが好きです。 毎日やる日課があると、旅行という非日常が、日常に変わる。
日課と言っても、ごく簡単なことでいいんです。 毎日同じ道を歩くとか、毎日同じ店で朝食を取るとか。
ただし、最低でも3日は続けないと日課になりません。 だから、なるべく同じ宿に3泊、できれば4泊以上、泊まるようにしています。 周遊旅行の今回も、グラナダを4泊にしたのは、日課を作り、スペインで「暮らす」感覚を味わうためでした。
グラナダにおける日課は、「アルハンブラ宮殿へ行くこと」でした。 贅沢な日課ですね。 朝に夕に、二度行った日もあります。
それができたのも、アルハンブラ自体は無料だからです。 宮殿などの有料施設に入場しなければ、アルハンブラ自体には入場料はかからないのです。 お金がかかりすぎる日課は、大金持ちでもない限り、日課として成立させるのは難しい。
宿は、アルハンブラの丘のふもとに取りました。 アルハンブラ宮殿まで歩いて15分くらいのところ。 アルハンブラから見下ろすと、ホテルが見える。 ホテルの最上階から見上げると、アルハンブラが見える。 そんな立地でした。
ラファエロの弟子が描いた壁画がロビーに残るアンティークなホテルでした。 名曲「グラナダ」を目覚まし代わりに目覚め、歩いて5分の広場のピザ屋に日参しました。 毎日通うと、お店の人に顔を覚えてもらえる。 「やあ、また来たね」と目が笑っている。
グラナダではやったことは他にもいろいろあります。 洞窟博物館を訪れたり、フラメンコを見たり。 でも一番の思い出は、毎日訪れたアルハンブラと、グラナダの旧市街の狭い路地を、迷子になりながら毎日歩いたことです。 たった4泊でしたが、わたしたちはグラナダで「暮らした」のです。