11時頃メインプールへ行くと、そこは大盛況で、おびただしい数のデッキチェアがひとつとして空いていなかった。 ビーチの方も見てみたけれど、全て先客あり。 どうしようかと困ってウロウロしていると、誰かが不憫に思って一つだけ空けてくれたので、 やっと落ちつく場所ができた。
プールサイドではいろんなアクティビティをやっていた。遊び専門のスタッフがここにはいて、 「ボール遊びをするよ! 子供たちはここに集まれ!」とか、「バナナの早食い競争をするよ! 参加する大人はここに集まって!!」とか、「ダイビングレッスンを始めるよ!!」などと参加者を募っている。
それに三つ編み。プールの脇では、
痩せたフィジアンの美容師さんが女の子の髪を三つ編みに編んでいるのだ。
ここで遊んでいる女の子たちの大半が頭の一部または全部を細い三つ編みに編み、その先にビーズを付けている。
女の子ばかりか、男の子でさえも、短い髪を三つ編みにしていたりする。
これは是非、ウチの娘たちの髪も三つ編みにして貰わなくては!
職人芸的な素早さで、ツルツルと三つ編みを編んでいく美容師さんに声を掛けると、
彼女は立派な予約帳をおもむろに開いて言った。
「今日はもう予約が一杯だから、明日ね。何時がいい?」と。
がーん、こんなことに予約が必要だとは思いもしなかった。しかも今日は予約がいっぱいとは‥。
仕方がないので、明日の朝に予約を入れ、今日は見学で我慢することにした。
椰子の葉で帽子を編んでいるおじさんもいた。
今日は風が強くて肌寒いので、プールにはあまり長く浸かっていられない。
少し泳いだだけでチャアはすぐに唇が紫色になってしまい、
そのあとはずっとおじさんの帽子作りを見学していた。
帽子は、椰子の葉の中央の太い葉脈を輪にしてトップとブリムの境目を作り、そこからブリムを編み、
最後にトップを編んでいく。
大きなビーチタオルにくるまり、
椅子にちょこんと座っておじさんの手先に見入っているチャアはとっても可愛らしかった。
あんまり可愛かったので、片道10分掛けてわざわざ部屋まで小銭を取りに戻り、7ドルで帽子を買ってやった。
この帽子、買った翌日から所々が茶色くなり始め、1週間も経たないうちにすっかり茶色くなってしまったが、
出来たてのその瞬間はすてきな黄緑色で、葉っぱのいい匂いがした。