Fiji  マナ島とフィジアン

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【 シェルマーケット 】

椰子の木

最終日の今日、是非とも行ってみたい場所があった。その名は「シェルマーケット」。 チェックインの際、フィジアンリゾート内の絵地図を貰った時から行ってみたかった場所だ。

それは、部屋からはメインプールを挟んで反対側、島が細長く海に突き出た岬の先端にあった。 絵地図では、何もないその先端のビーチを指して「シェルマーケット」と書かれていた。 これはきっと、貝がたくさん埋もれている砂浜に違いない。まるで「貝の市場」のごとく。 海流などの関係で、きっと貝がたくさん集まるのだろう――そうピンと来た。

それで、子供たちの三つ編みが出来上がると、それ以外は何もないその岬へと急いだ。 先へ先へと行くほどに、ゲストの姿は消え、スタッフが作業している姿だけが目に入るようになった。 シメシメ、貝拾いのライバルは少ないらしい、とほくそえんでいると、 遠くの方に「シェルマーケット」と書かれたアーチが目に入った。

喜び勇んで走り、アーチにたどり着くと、一人のおばさんが「ようこそ、シェルマーケットへ」 というように両手を広げ、うさぎたちを歓迎してくれた。 おっと、こんな辺鄙なところにまでスタッフを配すとは、さすが、なかなか気配りのあるリゾートじゃないか、 と感心しながら、ビーチを眺めた――が。

ない、ない! ビーチなんかどこにもない!!

そこは砂浜ではなく、ただの小汚い空き地なのであった。そして、その空き地の前には、貝を並べた売店が――。

――がぁぁぁぁぁん!! シェルマーケットってこれのことーっ?!
確かにシェルマーケット (貝の市場) には違いないけど‥。

ああもう、どーしてこんな辺鄙なところに店があると思うよ? 誰だって、これは比喩だと思うよ(‥えっ、違う?)。‥あああ、あまりの情けなさに笑いがこみ上げてくる。

うさぎたちはお愛想程度に店の貝を眺め、今来た道を戻って行った。
「これって、単なるあたしの勘違いかなあ? もしかして、故意の『引っかけ』なんじゃないのぉ?!」 などとブツクサ言いながら‥。

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