建物を出ると、またムア〜〜ッという熱気に包まれた。 さっきバスを降りたところまで歩き、そこでバスを待っていると、しばらくして若い女の子たちが3人ばかりやってきた。 今日初めて目にする日本人だ。
ちょうど定刻に、大型バスが駐車場に入ってきた。でも、普通の観光バス。
白く塗った車体にヒョウ(ライオン?)のマークが入っているレオパレスのバスではないようだ。
それでもうさぎたちは立ち上がり、バスの方にゆるゆると近寄っていくと、運転手が降りてきて「リオパラス」と、
パラパラした長粒米のような乾いた発音で言った。きりんとうさぎは顔を見合わせた。
「もしかして、やっぱりレオパレスのバスなんじゃない?」ときりん。
「え〜、そうかなあ?」とうさぎ。
運転手は尚も「リオパラス、リオパラス」と連呼しながら、自分のポロシャツをつまんだ。
胸のところにレオパレスのマークが入っている。
「ほら、レオパレスなんだよ。レオパレスのシャツじゃん」ときりんが言った。
一緒にバスを待っていた女の子たちが乗り込むのを見て、懐疑的なうさぎもようやく安心し、バスに乗り込んだ。
実際、このバスはうさぎたちをレオパレスまで運んでくれた。どうやら、レオパレスのバスにはいろいろあるようだ。 大きいのやら、小さいのやら、新しいのやら、古いのやら、マーク入りのやら、ないのやら。 リゾートの新しさからするとやけに古いバスは、中古バスをペイントしなおしたものだろうか。 こういうところはレオパレスリゾートって、案外質素なのであった。